定番のファンタジー魔法は出てくるけど、そうも一筋縄ではなかないのがこの物語。
パン、スープ、サラダの並びに「釘」と入るかーーと物語内の言葉どおりの「妹属性」という飛躍的発想にまず胸をグッとつかまれ、読めば読むほど強烈なフックが効いてくる構成は見事なもの。
交戦の場面でも、なぜかクスッとしている自身に気づいたり。
「なるほど、なんでもアリだな」と狭い発想に縛られていた自分に気づいたり。
魔法の才能に恵まれないほうが、かえって正義のように見えてくるのですから不思議です。
ざっくばらんな性格に共感しては、地位と能力のギャップに笑いがこみあげ、読みやすいからどんどん次をめくって、気づいたらまた笑ってる。
まるで異世界コントを見ているような爽快感をいだいたものです。
まだすべてを読み終えたわけではないものの、きっとこの面白さはずっと続いてくれるのだろうなあという信頼がすでに自身の中に芽生えています。
一日の終わりに読めば、その日にあったイヤなことが何だったのか忘れてしまいそうな、太い背骨の通った物語です。