第8話 男の道4

 理由はわからないが、真田幸町は、高野山に

自ら蟄居(ちっきょ)していた。理由は本当にわからない。

謎なのだ。リスペクトしすぎたのか、

なんなのか……。


〜幸町の小屋〜


「なぜ平和を楽しまぬ?」

幸町は渋面だ。平和を愛する彼には、とうてい納得できる話ではない。

「なぜ平和を乱すのじゃ?」

使者(男)が口を開く。

「関中王を討ち、真の平和を得るのです。」

幸町は笑いたくなった。

関中王は、古今東西の名君である。戦いはいくつかあったが、

関中王に非があるとは思えない。平和を乱す賊がわるい。

「御使者よ。

 帰って利休殿に伝えよ。

 民を一番に考えよと。

 それが真の平和じゃとな。」

「わかりました。」

使者は雑に答えると、立ち上がり――

「後悔召さるな。

 このことは、一生恨みま―」

「かーーーつ!!」

幸町は大喝を放った!

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