第6話 男の道2

 橋田元気はブランド商人で、昨年などは

セイコーさんのストップウォッチがバカ売れし、

巨万の富を得た。

「利休様。」

障子戸の向こうから、侍女の声がする。

「なんや?」

「お客様が御見えです。」

「通しなはれ。」

「はい。」

今日の客は、一でも元気でもなく、

「失礼いたします。」

「おお、兼続殿。

 ようこそ我が茶会へ。」

直江兼続であった。彼は一介の写実画家ではなく、

兵法家としても有名だ。

兼続は用意された席に座ると、

「急用とうかがいましたが?」

シャカシャカ。

利休は茶を点てながら――

「日の本を、立て直したいんや。」


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