幻獣闘争

猫合気道

第1節 〜〜〜混沌とした世界〜〜〜

2028年10月12日火曜日 東京都 神野かみの

嵯峨健人さがけんとはいつも通り、朝6:00に起き学校へ行く準備をしていた。

通っている学校は都内、いや全国でも有数の超有名高校、神野桜島高校である。

正直言って自分でも自分のことは賢いとは思っている。


一階へ降りてみるとどうやら妹、嵯峨サクナはまだ寝ているらしい、そりゃそうだ、今日は妹の学校は文化祭の代休で休みとなっている。

今年の文化祭こそは行ってみたかったが、サクナがどうしても行かせてくれない。多分彼氏でもいるのだろう、言ってくれればいいのに。


テーブルの上にはすでに朝食が用意されていた。

ーーーレンチンしてねーーーそう書かれた紙がポツンと置かれていた。

「そういえば今日朝早いんだっけ」

そう言いつつテレビを見ながら朝食を食べ終わった。今日はどうやら1日中快晴らしい。


「行ってきまーーす」そう言うが妹からの返事はない、まだ寝ているのだろうか。

教室についたが、やはりいつもの光景と変わらない。1軍の女子生徒は甲高い声を上げながらペチャクチャ喋り、一部の生徒は眠そうに机に突っ伏している

そして石井蓮介、彼はまぁ一番の友達ではあるが、よく考えている事が分からなくなることが多い。

不思議なやつだ。

こいつはいつも通り神話の本を読んでいる。


「また、そんな、本読んでんのか」

「なんか悪いカーオス」

また訳のわからない返事をしてきやがる。


「お前、そんな事ばっかやってると本当にのけ者にされちまうぞー」

「別に俺には神様がいるからなぁー」

彼は女よりも神を愛すらしい。


4時間目の授業。一番腹が減るし、それのせいで授業にも集中できないし。正直言って最悪の時間だ。しかし、そんな時間も終わりやっとこさ昼休憩に入った。みんなが散り散りになり、自分はいつも通り石井の隣で自作の弁当を食べようとした

その時、

ヴォォォォォォォォォォーン

外で警報がなっている。なんだろうか。


「お前ら!!すぐに避難しろ!!」

先生が息を切らしたような声を張り上げる。何となしに外を見てみると、

快晴の空に浮かび、3つの巨大な頭をつけ、2つのでかい翼を羽ばたかせているバケモノがいた。


「ま、まさかケルベロスな訳ないよな……?」

石井がぽつりとつぶやいた

次の瞬間、そのケルベロスらしきバケモノが出てきたゲートからたくさんの正体不明の生き物が降りてきた。

1つはどこかの図鑑で見覚えのあるようなものでもあった。


「まさか、これが現実とは言わないよな…、?」

そう呟いた次の瞬間あのケルベロスらしきバケモノからこちらにも熱気が伝わってきそうなくらいの炎がやつの口から放出された。


だいたい2.3秒くらいたっただろうか。

やつの攻撃が止まった。


「そういえば、嵯峨の家ってあそこの真下じゃなかったっけ…?」

石井が問いかける。

次の瞬間から俺は走り出していた。もう焦りの汗なんて物が噴き出てくる余裕もなかった。

サクナ、サクナは無事なのか?

後ろの方から石井のものであろう足音がしたような気がしたが、そんなもの気にしている暇はない

今は早くサクナの所へ行かないと。







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