第8話 エピローグ これからも二人で

エピローグ これからも二人で


春の柔らかな陽射しが、教室の窓から差し込んでいた。

相良陽翔は、いつものように窓際の席でノートに向かっている。


「陽翔、今日も一緒に帰ろう?」

桐生湊の明るい声に、陽翔は自然と顔をほころばせた。

「うん、行こう」


教室を出ると、二人の影は長く伸びて、穏やかな午後の光に溶け込む。

通学路の途中、陽翔は小さくつぶやいた。

――「湊と一緒なら、毎日が特別だ」


湊もそれを聞いて、そっと陽翔の手を握る。

「俺もだよ、陽翔」


二人は笑いながら歩き、風に揺れる桜の花びらが舞い落ちる道を通り過ぎていく。

特別な出来事はなくても、こうして一緒に過ごす時間が二人にとってかけがえのない宝物だった。


これからも、ちょっと照れくさくて、でも確かな温かさに包まれた日々が続いていく。

二人だけの甘くて、ほのぼのとした毎日――

それは、きっとずっと終わらない。


夕陽に染まる空の下、二人の笑顔はどこまでも輝いていた。

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君と見た放課後の光 @Harutaitian6

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