魔法
「……魔法について知りたい?」
僕が記憶を取り戻し、アリナを拾ってから早いことでもう一週間。
基本的に書斎へとこもっている僕の元にやってきたアリナの言葉に首をかしげる。
「す、少しでもゼノ様のお役に立ちたくて……わ、私は以前、魔法が使えると判断されたことがありましてぇ」
「あぁ、そうだな。俺がお前に目をつけた理由の一つにもそれがある」
「……っ!」
「魔法を教えられるのは今だと俺だけか」
現在、僕の両親は王都の方に仕事で出向いている。
それに伴い、両親の護衛の為にかなりの人員が屋敷を空けている。
魔法を教えられるほど暇なのは確かに僕くらいだ。
「魔法は、人類が使える術じゃない」
教育はメイド長に結構丸投げしていたからな。
僕も教育に参加し、尊敬できるポイントも溜めて置こう。
「座れ。魔法についての簡単な概略から教えてやる」
僕は指を鳴らして魔法を発動し、アリナに背後に椅子を出現させる。
「し、失礼して……」
「基礎の基礎。魔法の概要から。大前提の知識としてまず、この世界は精霊によって管理されている。ありとあらゆる物理法則。ありとあらゆる奇跡。風のうねり、大地のうねり、海のうねり。この星の何もかもが精霊によって管理されている」
「せ、精霊......聞いたことはあります」
「有名だからな。魔法の祖とされているアルキメデスはその、精霊との交信を可能とした。精霊と交信し、その精霊の自然を管理する一端を学んだ。そこが魔法のスタートだ」
いや、この僕の説明あっているかな?あっているよね?
ゲームの設定を思い出しながら語っているだけなんだけど。
「最初の魔法は精霊の力を借りる精霊魔法しかなかった。だが、全ての者が精霊と交信できるわけではなかった。故に、誰でも使えるように改良が進んでいった。精霊の力を理論に起こし、数式として研究し、その形を詠唱と魔法陣に変え、誰もが発揚できるようにした。それが汎用魔法。主に使用されている魔法がこれだ」
僕が使っているのもこれやね。
これに関してはほぼほぼ暗記。僕も一生懸命覚えているところだ。
「そして、我々人類はその魔法を独自のものに進化させた。この星に元ある法則とは別の法則を生み出し、それに則って奇跡を起こす。精霊を一部超えた。これが、人類の到達点だろう。とはいえ、それは位階外魔法と呼ばれ、使用可能な人間は長い人類の歴史を見ても少数。誰も使えない時代さえあったほどだ。まぁ、見ることはないだろう」
まっ!ゲームの主人公様はもちろんこの位階外魔法を使用できるわけですが。
何なら、これからやってくる動乱の時代はおそらく人類の歴史上最も位階外魔法の使用者が多い時代で、これから腐るほど見ることになるだろう。
「ふぅ」
今の僕は位階外魔法を使えない。
ゲームでのゼノも無理だった。だが、彼は近づきはしていた。僕も、ちゃんと使えるようにならないとな。
「概要はわかった?」
「は、はいっ」
「概要を理解した上で、一番最初にやるのは生命であれば誰もが持っている魔力の操作方法だ。魔法は魔力でもって発動する形だからな。これは外せない」
最初の説明で魔力について触れてなかった......失敗だ。情けない。
まぁ、でも......いいでしょ!おいおい詳しく話していくんだし。
「これに関しては完全な感覚。センスが問われる分野だ」
「……せ、センス」
あぁ、アリナは震えなくていい。
この世界でもトップクラスにセンスを持っている人間だろうから。
「フッ、恐れるな。お前は運がいい」
「……?」
とはいえ、初めての魔力操作となればかなり苦戦するだろう。かなり苦労した記憶もある。
「精霊に生で触れることで、魔力を理解し、操作できるようになる例はかなり多い。そして、明日。僕が精霊を召喚する。そこで学ぶといい」
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