覗き穴の向こう
天使猫茶/もぐてぃあす
覗き穴の向こう
ある村に古い不思議な棺桶があった。
見た目は一見すると普通の棺桶であるが、一つだけおかしなところがある。筒のような形の覗き穴が付いているのだ。
その棺桶の中に死者を入れてその覗き穴を覗き込むと、その死者との記憶、思い出を見ることができるのだ。
この不思議な棺桶は死者との最後の別れに使われていた。
あるとき村の若者が一つの疑問を抱いた。もしもこの棺桶に死者を入れていないときに覗き込んだら、一体なにが見えるのだろう?
好奇心を抑えきれなくなった若者は、夜中にこっそりとこの棺桶の置かれている倉庫に忍び込んで覗き穴を覗き込んだ。
翌日若者は気を失った状態で棺桶の側に倒れているのが見つかった。
目を覚ました若者に村人たちはなにがあったのかを尋ねる。すると若者は怯えた様子で、たった一つだけこう答えた。
「みんな、こっちを見てた」
覗き穴の向こう 天使猫茶/もぐてぃあす @ACT1055
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