【記録資料】

【概要】

第五地区内学生寮(市立旭ヶ原寮)より、「寮窓から丘の上に赤い屋根の家が見える」との噂が継続的に報告されている。

一部学生が当該場所への立ち入りを試み、以降、視覚異常や体調不良を訴える事例あり。

現地調査では該当する建物は確認されず、更地であることを確認。


【詳細記録】

・噂の発生時期は平成6年度入寮者以降と推定。

・複数の学生証言によると、丘上に「赤い屋根の一軒家」が存在し、玄関扉が開閉していたとの目撃談あり。

・一名(男子学生K)が単独で現地確認を実施、帰寮後より「赤い光が視界に残る」「屋根がまぶたに焼きつく」と発言。

 医療機関受診の記録あり。症状は一週間程度で軽快するも、以後退寮。

・平成17年以降、当該家屋の位置に変化なし。丘上は空地(地番第5−142−2)として登記済み。


学生・寮関係者間で共有されている噂内容(抜粋):


「赤い屋根が見える夜は外を見てはいけない」


「屋根を見た人は、次に“窓の中”から見られる」


「丘の上の家は、もう取り壊されているのに屋根だけが残る」


【所見】

地域内での恐怖・混乱は軽度であり、行政対応の必要性は低い。

ただし当該寮周辺において、視覚的錯覚・照明反射などによる心理的影響が継続している可能性あり。

状況を注視し、次回巡回時に追加聞き取りを実施予定。


【備考】

過去の土地台帳(昭和58年)において、同位置に「赤色瓦屋根住宅・空家」の記載あり。

取り壊し記録は平成3年付。

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【市民生活課特別資料-●●市特別封緘記録8-】 ●●市役所市民生活課 @shimin_seikatsuka

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