作者様の井上くんと千佳ちゃんに対する深い愛が、行間から溢れ出している贅沢な話です!特に千佳ちゃんには最強の守護神??が付いているという安心感もあり、読者は安心して(?)極上の恐怖体験に身を委ねることができます。
白眉はやはり、第8話「縁切寺」。 自らの過ちや弱さに無自覚なまま破滅へと突き進む環奈の姿は、まさに逃れられない「業」そのもの。救いの手を差し伸べる隙すら与えないほど、冷徹かつ精密に描き出される因果応報のプロセスには、作者様の揺るぎない正義感と筆力を感じ、圧倒されました。
完璧すぎるほど正しい井上くんと千佳ちゃんの「光」が、社会の闇に堕ちていく者の「影」をより一層際立たせています。
「正しき者には加護を、業深き者には報いを——」 守護神すら味方する無敵の二人が、現代の闇を鮮やかに切り裂く爽快ホラー。この圧倒的な世界観、ハマること間違いなしです!
『一話約5000字のホラー連作集 井上と千佳の怖くて甘い話を添えて』は、「怖い」と「甘い」がちゃんと両立している、ちょっと珍しいタイプのホラー連作集です 👀🍬
1話約5000字というボリュームの中に、日常のすぐ隣にある“じわりとくる怖さ”が丁寧に描かれ、その合間を縫うように、付き合いたてのカップル・井上と千佳の初々しいやり取りが差し込まれていきます 👻🕯️
怪異そのもののインパクトだけで押すのではなく、「こんなこと、もしかしたら自分の身近にも起こりそうだ」と思わせるリアルさがあり、その“身近さ”が逆に怖さを増幅させているのが印象的でした 😨🏠
ホラーとしての読み応えはしっかりありつつ、恋愛連作としても楽しめるので、「ホラーはちょっと苦手だけど、雰囲気は味わってみたい」という人にもおすすめの作品です 😊🕯️
タイトルでほぼ説明されていますが、1話5000字くらいのホラーの連作短編です。たぶん恐怖度はそれほど高くないので、ホラー苦手な人も十分楽しめるのではないでしょうか。
通常ホラーの連作短編というと、細かいエピソードを繋げてひとつの巨大な怪談を描き出すものが多いと思うのですが、本作はそれが恋愛話です。ここも、ホラー苦手な人にはお勧めポイントでしょう。
本作のホラー小説としての面白さは、単純な恐怖というよりもじわりと沁みる怖い話ですね。不気味な怪物がドバーッと出て、読者を震え上がらせるタイプの話ではなく、少し不思議な話だったり、ほっこりするエピソードだったりとバラエティーに富んでいて、その合間合間にちらりちらりと垣間見える恐怖。そう、そこに何もない怖さ、何も無いがその影の中に確実に何かの存在が感じられる恐怖です。
だらりと横たわる怪異に気づきもしない人、あるいは気づきもしないふりをしておいて、その怪異をいいように利用している人間。何をするでもなく横たわる得体の知れない、そして名状しがたい存在が蔓延る世界で甘い恋愛を育む若い二人。その甘さすら、ともすれば恐怖のスパイスとなり得る……。
各話趣向を凝らされたエピソードは、とにかく先の展開が読めません。そこから次に飛び出すのは、果たして怪異か恋愛か。怨なのか恋なのか。呪なのか祝なのか。
怪異を殺さず恐怖を生かす。これぞ令和の時代のホラーではないか。今に蔓延るWEBの恐怖ではないか。それをどうぞ、あなたの目で、そして舌で、お試し下さい。
で、書いてるときにいろいろあったって、またですか……?
一話約5000文字縛り(作者注、とってもきつい縛り)という謎作者ルールで書かれた、珠玉のホラーオムニバス作品です。
最大の見どころは、「井上と千佳」という二人の関係性にあります。
じわじわと這い寄るような本格的な恐怖の中に、ふっと差し込まれる二人の甘い空気感。この怖さと甘さのギャップが、さすが、恋愛ファンタジー作品で超人気の作者さまというほか、言葉がありません。
各エピソードは独立した怪異を描きつつも、二人の絆がどんどん深まっていく過程が丁寧に描かれており、次はどんな恐怖が、そしてどんな二人の姿が見られるのかと、ページをめくる手が止まりません。
とてもお勧めです。
本当に一話一話、どの物語にもエッジが効いた作品集。どうぞお読みくださいませ。
ちょっと怪しげなアパートに引っ越してきた若い会社員の千佳。彼女はさっそく怪異に遭遇するが、素直な良い子の彼女は危ういところをするりするりと切り抜けて怪異と衝突せずに暮らしている。
彼氏の井上も周囲では不穏なことが相次いでいるが、健気で一途な彼の身には怪異も何かを起こしづらいのか、すれすれのところをかわして千佳といちゃいちゃしながら過ごしている。
2人の周りで巻き起こる騒動は本当に怖くて、読んでいてゾゾゾっとすることもありますが、悪いやつが報いを受けて自滅する話が主なので、安心して読めます。信じる者は救われます。手軽に実話怪談風短編連作を楽しみたい方向けです。
幽霊、妖怪、怪奇現象。そんなものに遭遇したことはありますか?
一度もないという方は多いかもしれませんが、反対に何度も遭遇しているという人も、世の中にはいるかもしれません。そういう不思議なものを引き寄せる人って、いるらしいですからね。
本作に出てくる井上と千佳も、そんな引き寄せる人なのか、幸か不幸か何度も怪異と遭遇します。
いえ、大抵の場合『幸』になることはありませんね。
飼っていた魚が死んだり、かかってきた電話が思わぬ事件に繋がっていたり、なんやかんや身の回りで不気味なことが起こったり。
とはいえ、怪異全てが必ずしも恐ろしいものとは限りません。中にはほっこりすざるものだってありますし、人に危害を加えるような怪異の中にも、よくよく見てみたら、危害を加えた人間側の方が悪いことしてるんじゃないかとなる事態もちらほら。
井上と千佳には、怪異のせいで身の破滅みたいなことは今のところ起きていませんが、それは怪異を怒らせないくらいには二人が真っ当な生き方をしているからかも。
そんな二人ですが、実は恋人同士。何℃も怪異に遭遇しながらも、少しずつ進展していく仲。タイトルにある『甘い話を添えて』に偽りありません。
怖い話だけでなく、甘い話が好きな方にもオススメです。
付き合いたての初々しいカップル、千佳と井上。
ゆっくりしたペースで交際を重ねていますが、そんな二人の周りではなぜかやたらと怪異が起こる。
引っ越した先は、幽霊アパート。
二人でお出かけしたら、ナビがおかしな場所に誘導する。
霊体験が多くなってくると他の人から色々相談されて、さらに関わりが多くなる。
……もうそっとしておいてあげよう。怪異も余計なことをしないで、大人しくこのカップルを見守ってあげて。
霊現象や人怖まで、色んな種類の怖い話がある本作。
読んでいると怖い話って、案外その辺に転がっているのかもって気がしてきます。
日常のすぐそばにある奇妙な出来事の数々を、ご覧ください。
ヒトコワ、怪異、ほっこり(?)、自業自得のホラーなど、多種多様な怖い話が楽しめるお得な短編連作。
主軸にいるのは付き合い始めたばかりのカップルなのですが、読み進めるにつれて、相関図が広がるように周囲の関係性が浮かび上がってくるのも人間ドラマとして面白いです。
また主軸のカップルが、ドロドロではなく爽やかカップルなのも不穏になりすぎず、微笑ましいので、がっつりホラーが苦手な人も楽しめるんじゃないかと思います。
井上のほうはチャラ男に見える容姿のせいで「お前、なんでそんな奴と……!」となる怪異にも好かれるタイプの不憫さがあるのですが、千佳ちゃんは天真爛漫で心優しさもあって”守られている”ので、この二人に決定的な何かが起る感じもせずに楽しめるのも安心要素かも。
でもしっかり怖いんですよ。現代が舞台ですし、それこそ、ちょっとした休憩時間の雑談で、「そういえばさー」で始まる怖い体験談を聞いているような雰囲気。怪異って意外と身近にあるのかもしれませんねぇ。