応援コメント

第3話」への応援コメント

  • 拝読いたしました。

    物語の軸にあるのは、恐怖ではなく“記憶と存在”です。
    湊が記憶を失う展開を通じて、人を思い出すこと、そして「名前を呼ぶ」という行為に込められた意味を描こうとしている意図は明確でした。
    記憶を失いながらも、大切な人の名前だけは探し続ける──この構図は美しいですね。

    物語の最後で湊が「美咲」と呼ぶ瞬間、そこに恐怖ではなく、人を想う優しさの余韻が立ち上がります。

    廃墟という空間が、ただの舞台ではなく“記憶の境界”として機能しており、現実と幻想のあわいを漂うような感覚がありました。
    語り口は素朴ですが、その素朴さがかえって湊の不器用な誠実さを際立たせています。

    ホラーという枠にとらわれず、「忘れたくない」という人の根源的な願いを描こうとした意図が伝わる作品でした。