崩壊世界のファンタジア

天廻月媛

第1話

「わーいいなぁ、その夜帳蘭燈ナイトヴェールランタン。中の凍てつきし闇フローズダークがとても良い青紫色に輝いているわ。」「でしょー!自信作なんだよ!ここまで深い夜の闇を採集するのに本当に苦労したんだから。」女子生徒達が集まってはしゃいでいる。「ねえねえ、この触媒小刀アゾット良くない?」ロビンも自慢のアゾットを取り出す。「それも綺麗ね。純度の高い銀に金の装飾、そしてダイヤモンドが魔晶核に使われてるわね。」「フフッ綺麗でしょ。」少女達の明るく透き通った声が講堂に響く。


 「静粛に」教師である考古博道師こうこはくドルイドの声と共に鐘のが講堂全体に響きわたり、授業開始を知らせた。講堂全体が静まりかえったのを確認すると彼は早速授業を開始する。「まず最初に告げておく。私の授業では農科学型第二文明のうかがくがただいにぶんめいつまりあの崩壊した旧人類の築いた世界の話をすることとなる。」続けて彼は生徒に質問を投げ掛ける。「まず我々ケルト人と旧人類の一番大きな身体的な違いは何か?」「ハイッ!」ロビンが声をあげる。「私達ケルト人と旧人類のもっとも大きな身体的違いは肉体の材質です。旧人類は物質で肉体が構成されていましたがケルト人は純粋な魔力で肉体のほとんどが構成されています。」ロビンが答えると彼は「正解。旧人類は我々ケルト人とは異なり肉体が魔力が俗世の物質に擬態させた魔素マナではなく通常の物質、それも極めて魔素マナの割合の低いもので形作られていた。故に残念ながら生命体としての格は我々より大幅に低く、肉体の強度も性能も低い。例えば我々ケルト人は手足を引き裂かれようと数分から数時間で完治する。ところが旧人類はそれは手足が使えなくなることを意味といったところだ。他にも違いはある、答えよ」「ハイッ!」ロビンの隣の席にいるトウヤが声をあげと続けて彼は「我々ケルト人は肉体が魔力でできている関係で肌が透き通るように白く、髪は白や青、銀、金色等ので大気中の魔力を感知するために長く伸ばし...」「続けたまえ。」道師ドルイドが促す。「華奢な顔立ちと細く長い手足、瞳は青や緑など鮮やかで魔術ルーン行使時に蒼く光り輝きます。なにより旧人類との容姿の最大の違いは耳の形でケルト人は耳が三角形で先が尖っています。」トウヤの回答に道師ドルイドは「素晴らしい大正解だ。」ドルイドは以降も話を続ける。ロビンは隣のトウヤを小突いて「ねぇねぇトウヤァ、ルイス先生の話面白いね。」トウヤは自慢げに「そうだろ!だから俺と受けないか?って誘ったんじゃんか!」とかえす。「それにルイス先生ってかっこいいよねW。声も渋くて堂々としてるし。」するとトウヤが脇腹をつついてくるのででロビンは「あははは、くすぐったいよぉW。大丈夫、私が大好きで愛してるのはトウヤだけだから!」そういってロビンはトウヤの頬にキスをする。「俺も大好きだよ、ロビンのこと!」そのままロビンの頬にキスをする。「ねぇ、今度夜廻祭の時に私の村に来ない?ごちそうが並ぶよー!」ロビンが問いかけると「うん!絶対行くよ!」トウヤが答える。「約束だよー」ロビンが微笑む。こうして授業は過ぎていった。

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