あとで雑念

　君に教えてあげたい　

　全てが不毛であること

　這って生きて　縋って愛して　笑って叫ぶ

　転がり落ちたことの顛末を崇めて

　白い天井を見上げて後退り

　歪んだ景色に食べ頃の夕陽を沈めて　

　夜の月が浮べば蛆の湧く歪な眠りに

　繰り返す日々

　幸福の居場所は遠い果ての地か

　夢の理想郷か　それは現実逃避の思考か

　楽になって　楽をして　楽でいるその足下で

　過去の破片が散らばる　自分を責めて消える　

　せめて明日（あす）には連絡する　

　一方通行の線路で待つ　裸足の君を

　帰り道に気をつけて　別れの花束を手渡す

　来た道を振り返らないで　視線に釘を刺した

　最後の言葉は伝えないで　未来に手を伸ばす

　生まれつき孤独を恐れ　

　活かすも殺すも人格を取り繕い　

　生暖かい世間様に取り入って不安を揉み消す

　同調圧力に従い思考停止　整然と量産型

　オリジナル押し潰して心配停止　傾向は大多数

　逸脱を許さず　分泌過剰な美意識を召し上がる

　脅迫観念と自己束縛　人生を傷め　

　感覚は無く　膿んでいく　自傷行為な日常　

　幸福の正体を掴めず

　追い求め　見失い　取り憑かれ　呪いに変わる

　貴方に伝えたい

　全てありのままでいいこと

　誰かに成ろうと自分を傷つけるなら

　追いかけなくていい　

　溢れる感情を受け入れて　

　手に余る物を諦めて　

　代わりになるまで慰めて

　見つかればまた忘れて

　ありのままの貴方が揺るがなくなるまで

　孤独になって生きて欲しい

　見つめ直す　貴方が貴方を認めるまで

　孤独になって生きて欲しい

　きっと幸福は私じゃない　それでいい　

　気づいたなら　もうそれでいい

　はみ出した今日を　いつか訪れる貴方を

　引き出しに仕舞ってお終い