第4話

【今を想ふ】



世界が静まり返るころ 聞こえてきた細音(しらべ)に

胸の高鳴りを抑えながら 独りきりでさざめく

夢を語る人の面影に 愛才のない人は笑い

いつか消えてしまう事を恐れ はみだし者と抗う



人知れず散りゆく 一声(ひとこえ)の季節がすぎてもまだ

私の隣に寄り添ってくれたのは貴方だけ



何にもない空

誰もいない空

偽のない空の下で

お願いだから愛(いと)しき人よ

行き場のない僕を捕まえてくれないか




「頑張れ」だとか誰かに言われる言葉じゃないのに

「大丈夫」だとか誰かに言われる言葉じゃないのに



絡み合った感情の群清の青さに慈しみだけが心に残る

優しさという孤独でもない色褪せない記憶に今も心を奪われる



何にもない空

誰もいない空

偽のない空の下で

お願いだから愛(いと)しき人よ

行き場のない僕を捕まえてはくれないか

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