第3話
【風影】
雨音が降り染む
金木犀を渡る風
行き交う足どり
流れる街並み
取り残された僕は一人歩き出す
誰のものでもない時間の隅で
風が景色を揺らし 光が輪郭を縁取る
暗く長いトンネルを抜けた世界は
知らない誰かの一晩の夢
果てしなく続く探り寄せた未来
刹那に生きる時の早さで
音も無く崩れゆくリズムで
光と闇の隙間で
忘れさせてくれないだろうか
それは
いたずらに微笑み泡の如く消える
乾いた笑い声
夜の帳に響く声
待ち合わせた道の
揺らめく灯り
手を伸ばした先に 確かなぬくもり
誰のものでもない時を分かち合う
瞳が景色を辿り 言葉が願いを織り込む
暗く長い道程を照らす世界は
知らない誰かの一縷の希望
諦めきれずに選んだ遥かな未来
刹那に生きる時の早さで
音も無く崩れゆくリズムで
僕が愛した誰かと
寄り添わせてくれないだろうか
それは
優しさに紛れて泡の如く消える
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