5km先、犯人です。
竜太郎
第1話
無我夢中で高速道路を走っていた私は、あと二キロ地点のサービスエリアに向かうことにした。運転に集中していたせいか、ひどく喉が渇いているし、まだ息も上がっている。土曜日の夜はサービスエリアの利用者が多いことが、不幸中の幸いだった。
混雑する駐車場の中で大型トラックに囲まれた区画に駐車すると、エンジンを止め、乱雑にドアを閉めた。
まずはトイレに向かう。夏の厳しい暑さは夜でも冷房を鈍らせ、私のTシャツの色を変化させていた。個室で用意していたTシャツに着替え、マスクを新しく替える。見た目の変化を鏡で確認しておく。
小腹が空いた私は入口から一番近くにあるおにぎり屋で鮭とおかかを購入した。これである程度はしのげるだろう。
車に戻ろうとしたとき、遠くでとある車がサービスエリアに入ってきていた。私は体制を低くし、素早く運転席に乗り込むと、なりふり構わず車を発進させた。
その瞬間、私の後ろにいた車がスピードを上げた後、サイレンが駐車場に鳴り響いた。
5km先、犯人です。 竜太郎 @waltalow
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