天海沙羅は自称占い師

命野糸水

天海沙羅

天海沙羅。彼女はこの学校に存在する自称占い師の生徒である。


占い師といっても彼女はプロの占い師ではない。ただの占い好きの女子高生である。


占い師ってどうやったらなれるのだろうか。占い師になるためには何か資格を取らないといけないのかな。なんて思う人もいるかもしれない。結論からいうと占い師になるために資格は必要ない。


この世の中に占い関係の資格は複数はある。手相鑑定士、四柱推命占術士、タロットカード士、サイキックアドバイザーなどだ。


しかしこれらの資格を持っていないからといって占い師になれないわけではない。


これらの資格は持っていた方がいいかもしれないけど必須ではないのだ。持っていた方が相手を占う際の説得力が増すだろう。まぁプロの占い師になりたいのなら一つくらいは持っていた方がいいだろうけど。


占い師にとって一番大事なことは何だろうか。そう考えた時に真っ先に思いつくのはその占いが当たるかどうかである。


人は占い師にいろいろな相談をする。人間関係の悩みであったり、恋愛だったり。仕事のことや将来のことなどとにかく多岐に相談する。


ではなぜ人は相談するのだろうか。それは悩みや不安を無くして欲しいからである。または勇気をもらいたいからである。


そしてその先の自分が思い描いていた答えにつながって欲しいからである。そのゴールこそ当たるということである。


では天海沙羅の占いはどうなのか。当たるのか当たらないのか。結論から言うと当たる時もあれば外れる時もあるという中途半端な占い師である。まぁこの世の中にいる占い師の中にも必ず当たる占い師は存在しない。存在しないが彼女よりは的中率が高いだろう。


でも天海沙羅のもとには占ってほしいという生徒だったり教師が多岐にやってくる。彼女のもとにやってくる人々は当然のように結果を気にしている。


しかし彼らが気にしているのは結果以外にもある。それは彼女の独特な占い方法である。一見聞くとわけが分からないのだが、面白半分でやってみようとなるのである。面白半分でやったことなので外れたとしても文句を言いにくる人は少ない。


まぁ言いたくはないが、本当に悩んでいるのなら町で店を出しているプロの占い師に相談すればいいのだ。お金はかかると思うが当たる率は高いだろう。


彼女は学校内で占いをしているため無償で行っている。


図書室内にある図書準備室。名前を学生時代に聞いたことがあるが、使われている印象は全くなく、その上でなぜこの部屋があるのかわからないそんな部屋で今日も彼女は人々を占っていた。

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