憎悪



 貴方のことを四六時中考えてしまう。

 ──憎い憎い、絶対に殺してやる。


 貴方の姿や声を頭の中へ浮かべると、胸が高鳴り体が熱くなる。

 ──激しい怒りで動悸がして、体温がぐんっと上昇する。



 貴方に会いたい、今すぐにでも会いたい、夢の中での逢瀬だけでは物足りない……そうは思うけど私は卑しい芸妓で、貴方は誉れ高い将軍様。

 決して交わらぬ身分の格差に人知れず何度も涙を流した。

 ──夢の中で何度も何度もお前を殺した。いつか絶対にこの手で殺してやる。その為になら芸妓にだってなってやる。

 なかなか訪れない好機に涙を流しても、決して復讐の心だけは忘れない。


 それでも、私はこの気持ちを諦めたくはない。

 いつか届けたい、絶対に貴方へ届けたい。

 ──諦めない、諦めてなるものか。

 いつか届ける、絶対にお前へ届けてやる。



 届けたい──私の恋心。

 届けたい──私の恋心憎悪



《終》

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それはまるで恋のよう あおじ @03-16

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