140字の物語

青馬 達未

言葉の向こうの手

僕らだけの言語を作った。「これで誰が味方なのか一目で分かるね」「だろ?」でも気づいた。言葉が違っても敵とは限らない。あの日、知らない言葉の人に助けられた。別の世界から来た誰かに助けられた。通じたのは声や文字でもなく、差し出されたその手の温かさと、確かな優しさだった。

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