折りたたみスマホになったけれど、逆パカされるかもしれない話。

杜甫歩

第1話 折りたたみスマホ

 「はいじゃあ今日は〇〇社製の新作折りたたみスマホのレビューをしていきます!」

「〇〇社、初の折りたたみスマホとして、なんと環境にも配慮しているそうです、いったいどんな仕上がりになっているのでしょうか」

俺はいわゆるガジェット系Youtuberだ。

今日も撮影だ。

「おお~!なかなか環境的ですね!箱もリサイクル紙で出来ていてSDGsに配慮する〇〇社の姿勢が見られます。」

「なるほど!これはいいですね付属品を絞って環境に配慮しています」

俺はサステナビリティ系ガジェットYouTuberとしての地位を確立していた。いわゆるブルーオーシャン戦略だ。

「綺麗な有機ELですねー!一面でこれなので画面を開いた状態だと、もうタブレットと変わらないですね!」

「それじゃパカっていきますよ」

画面開く

「曲げ心地も丁度よくて力が弱い人でも曲げやすいし、なんと〇〇回開けても大丈夫だそうで…」

開ける。画面光る。体が吸い込まれる。身体は細くなって入った。丁度タブレットみたいな大きさに。

 俺は起きた。起きたと同時に俺の頭のなかに音が響いた。音は瞼が開く音かと思ったが、後でわかったことで、スマホの起動音だった。天井をみあげていた。いつもの撮影部屋の天井、体を起こそうとするけど起きない。俺の視界の右下にはバックグラウンド再生ぐらい大きさの黒い板が俺の視界を遮っていた。その板はだんだん明るくなって次に現れたのは折りたたみスマホの会社のロゴマークだった。何だコレと思う、画面には文章が流れた上から下に映画のエンディングみたいに。

読む。

"あなたは折りたたみスマホになりました。"

疑問はあると思います。あなたが元に戻る方法は…、あっ!あなたにはたくさんの仲間がいますね!聞いといてください。


確かに仲間はいるな。だってここはサステナビリティ系ガジェットYouTuberの部屋だ。きっと環境に配慮された性格のいいやつらばかりに違いない。きっと…





 




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