1.再会

「100億年お待ちしておりました。わたくしと付き合っていただけますか?」


「いや待て、お前はなんで100億年も生きているんだ?」


「それはあなたも同じなのですわ?」


「確かに」





「ここは宇宙だから声なんて出ないはずなのに、お前はどうやって喋っているんだ?」


「それはあなたも同じなのですわ」


「同じかどうかを訊いているんじゃない。理由を訊いているんだ」


「それはわたくしも知りたいのですわ」





「悪いけど10歳以上も年下の女の子とは付き合えないんだ」


「100億年も生きてきて10歳のとしの差なんて誤差にもなりませんわ」


「確かに」





「前にも言ったけど、俺、好きな女の子がいるんだ」


「その方は生きておられるいるのです?」


「うん」


「うん……?」





「でも前に会ったときより大人っぽくなったよな」


「そりゃ100億年も経てば、大人っぽさを突き抜けて神っぽい感じ、いや神すらもお子ちゃまみたいなものですわ」


「それでも胸だけは育ってないみたいだな」


わたくしの二つ名は、永遠のA子」





「きゃあ、宇宙風でスカートめくれてしまいました。パンツ見ましたわね!」


「ちゃんと目を逸らした」


「もう一回やるからちゃんと見やがれください……」





「だいたい付き合ったところで、デートする場所がない。観光名所もないし、ランド的なところもないし」


「そんな場所に行かなくても、そもそもわたくしたちはロマンチックの中に浮いているようなものなのですわ……」





「この360度の大パノラマで見る星々! これをロマンチックと言わずして、なにをロマンチックと言うのでしょうか!」


「とっくに見飽きただろ」


「日常がロマンチックなのも問題なのですわ……」

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