天才トランポリン少女
いもたると
第1話
私、天才トランポリン少女よ。
どんなものでも、トランポリンにしてしまえるの。
普通の道でも、ピョーン、ピョーン。
家の塀でも、ピョーン、ピョーン。
人の頭だって、ピョーン。
「コラー!わしの頭でトランポリンするやつは、誰だー!」
てへっ、怒られちゃった。
ある朝、私は学校に向かっていたの。
路地をトランポリンにしながら、ね。
ピョーン、ピョーン。
おや?
あの、いかり肩の、太っちょの、おにぎり頭は、クラスのガキ大将だわ。
あいつ、いつも私にちょっかいかけてくるのよ。
やんなっちゃうわ。
「やい、天才トランポリン少女!今日こそお前を捕まえて、ギッタンバッコンにしてやるぞ」
「あっかんべえ〜、だ。やれるもんなら、やってみなさいよ」
大きく飛び上がって。
ピョーン、ピョーン。
えい!
「フンギャ!」
おにぎり頭を踏んづけてやったわ。
ついでに空中で一回転。
ヒラリと向こう側に降り立った。
「し、白だ……」
鼻血ブー。
「きゃー、エッチ!」
あいつ、私のパンツ見たわね。
きいーっ。
悔しいーっ。
学校に着いてからのことよ。
授業中、私はぼんやりと窓の外を眺めていた。
「……で、あるからして、x=y。xという字は、左側と右側が支え合って、xなのである」
はあー。
学校の勉強って、どうしてこう退屈なのかしら。
それに、難しい。
ここ、本当に小学校かしら?
先生の言うことが、さっぱりわからないのよ。
あーあ。
いいお天気。
あのビルのてっぺんでトランポリンしたら、気持ちいいだろうなあ。
「こら、天才トランポリン少女。よそ見をするんじゃない」
ううー。
先生に怒られちゃった。
もう、嫌だわ。
こんなところなんて、抜け出してやる。
私、天才トランポリン少女なのよ!
私はすっくと立ち上がった。
「あ、どうした、天才トランポリン少女」
先生は慌てた。
でも、ピョーン、ピョーン。
悪いけど、クラスメイトの机をトランポリンにさせてもらうわ。
そのまま窓のところまで行って、窓を開けて、窓枠に腰掛けて教室の中を見てやったわ。
「何をする、危ないじゃないか。戻ってきなさい」
「ウフフ。みんな、さようなら」
バッ。
ヒラリと窓から飛び降りたの!
でも、もちろん平気よ。
校庭をトランポリンにして、隣のビルまで高々と飛び上がるのだわ。
「それっ、ジャーンプ!」
ビヨーン!
クルッと一回転。
着地成功!
みんなは大騒ぎね。
「あーっ、天才トランポリン少女!」
「し、白だ……」
鼻血ブー。
「いやん、エッチ!みんな、パンツ見ないでぇーっ」
でも、ピョーン、ピョーン。
トランポリンは止まらない。
私はビルからビルへと、渡っていったわ。
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