第3話 はじめてのおうぼ〜蒼星白炎様〜

 初めての応募来ちゃぁぁぁぁぁぁッ!


 ということで、

 さっそく本題へ入らさせていただきましょう!


 今回ご応募いただいたのは蒼星白炎様です。

 ご応募ありがとうございます!


 作品情報は以下の通りになります。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/822139836377056404

キャッチコピー:超絶一般人、未開拓チートスキル【調香】で最強バッファーに!?

タイトル:【Mystica=Mist】

工夫したポイント:キャラクターの描写や情景描写など、地の文の表現をできるだけ詳細に書いてます!それが逆に冗長になってないか等心配です。あと展開が遅いかな、とか心配です。

評価方法:ちょい辛

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 まず最初に、1〜3話の内容を簡単にまとめさせていただきます!(この感想文を読んでくださっている読者の皆様向け)


【第1話】

会社で上司から不当な扱いを受けていた俺、勇気を出して退職を宣言する〜叫ぶ上司を振り切って行くあてもなく彷徨っていたら、なんか異世界転移しちゃいました〜


【第2話】

おいヒロイン、いきなりバックドロップするな〜異世界で出会った少女は、ちょっと天然が入ってる?〜


【第3話】

ヒロイン「わたしがこの世界のことを簡単に教えてあげる!」〜いきなり妖精とか言われても困るんだが。あと、俺の祖母は伝説の魔女だったっぽい〜


 こんな感じの内容になっています!

 めっちゃ簡単にまとめたので、詳しい話は本文を読んでいただけますと幸いです!


 では、ここからが感想になります。

 評価方法は『ちょい辛』ということで、良かった点を3つと、個人的に引っかかった点を1つ、述べさせていただきましょう!


※この評論は、応募してくださった皆様がランキングを駆け上がっていくことを夢見て書いております。必然、感想はランキングを意識した内容になってしまいます。ご了承ください!


【良かった点】


①上司がちゃんとウザい!


 第1話に登場する上司の言動がしっかりとムカつくように描かれており、読者の感情を揺れ動かすことに成功している。


 特に、


「もっとはっきり言ってくれないとわかんないよ?黒瀬くん。意見はハッキリとね!報連相大事だよ?前から言っとるだろうがッ!」


 上司のこのセリフ、いいですね〜。

 自分のミスを主人公に押し付けているのもGOODですし、 「前から言っとるだろうがッ!」の急に沸騰する感じ、最高にムカつく&面白いですね!


 ことネット小説において、『ヘイトを集める文章』は読者の皆様を惹きつける強力な武器になります。

 そして、蒼星白炎様はすでにその武器を一定レベルまで研ぎ澄ましていらっしゃいます。

 基礎はすでに習得しているので、あとはランキング上位作品を分析して上手い扱い方を学べば、読者の皆様にブッ刺さる最強のヘイトキャラを創造できるようになると思います!


※一応、マッツィーニは『小説家になろう』にて週間ランキング1位を取った経験がございます(2018年くらい?けっこうブランクあきましたねw)。その時の経験なんかを思い出しつつ、最近のカクヨム情勢を鑑みながら感想を述べさせていただきます!



②読みやすい文章とキャラ・情景描写の両立!


 読みやすい文章、これはとても重要です。


 想像してみてください。

 毎日、朝早くから満員電車に揺られて出勤し、帰りは疲れ果てた体を引きずるように家へ向かう読者の皆様を。

 読者の皆様は、その過酷な生活の中の貴重な隙間時間を使って、我らの小説を読んでくださっています。

 本当にありがたいことです。


 であれば我々作家は、読者の皆様が疲れ果てていても読めるくらい、めっちゃ読みやすい小説を届けるのが筋ってもんです!

※1作品くらいは、自分の書きたいガチガチの小説を書くのも良いでしょうw


 前書きが長くなりましたが、本作品は『中学生でも読めるくらい』難しい言い回しを省いた、もしくは難しい漢字にはちゃんとルビを振った、大変読みやすい文章になっております。


 そしてさらに、キャラ・情景描写ともに、ちゃんと頭の中で思い浮かべられるほど正確に描くことに成功しています。


 特に、ヒロインのキャラ描写。

 天真爛漫、エネルギッシュ、ちょっぴり天然な性格を、会話文と地の文でしっかり表現できていると思います。


 読みやすい文章とキャラ・情景描写を両立するのは、とても難しいことだと思います。

 読みやすくするほど、描写する余裕がなくなってしまいますので。


 これも、蒼星白炎様の武器の1つですね。

※この武器は、使いすぎると文章が冗長になってしまいます。ポイントは『急緩』です!基本的には『急』で物語をテンポよく進めて、「ここは読者にしっかりと訴えかけるところ!」になったら、ゆっくりじっくり描写しましょう!この匙加減は、ランキング上位陣の作品を読んで勉強しましょう!



③練り込まれた設定!


 前置き。

 正直に言ってしまうと、基本的には、練り込まれた設定は読者の皆様にとって『ノイズ』になってしまいます。

 テンプレであればテンプレであるほど、読者の皆様はエネルギーを消費することなく読めるので、大衆ウケを狙うなら迷わずテンプレを使用するべきでしょう。


※わたしも新作のテンプレを書き溜めていますw


 テンプレは最強です。

 ですが、ただのテンプレを書くだけでは、ランキングのてっぺんに行くことはできません。


 ランキングのてっぺんに行くためには、テンプレのルールを遵守しながらも、これまでになかった新しい『個性』をブッこむ必要があります。

 すなわち、読者の皆様を釘付けにする『斬新な設定』です。


※個性なんかいらへんっていう作家様もいらっしゃいますが、たぶん彼らはテンプレをめっちゃ精密に書けたり、キャラ作りが神がかっている才能ある人たちです。


 この『斬新な設定』がクセ者で、多くの作家様が日々頭を悩ませているポイントだと思います。

 これめっちゃムズカシイです。


 前置きがまたも長くなりましたが、本作品は1〜3話を通して、伏線を丁寧に盛り込んだり、異世界の設定を詳細に作り込んでいます。


 例えば伏線として、ラベンダーの香り、ラベンダーを想起させる容姿をした謎の少女、時を超えることができると記された有名な本、本棚にあったラベンダーが描かれた本などがあげられると思います。

※これらの伏線はすべて、主人公のスキル『調香』につながっているのでしょう。


 詳細な異世界の設定は、第3話前半部分ですね。

※マックロクットシーって、ケットシーが元ネタですかね?ケットシーが猫、クーシーが犬の妖精で、『シー』は妖精を意味します。こういう小ネタ好きです。


 このように、蒼星白炎様には練り込まれた設定を作る発想力があります。

 その発想力を使って斬新なテンプレ作品を生み出すことができれば、ランキングを駆け上がること必至でしょう!

 兎にも角にも、ランキング上位の分析ですね!



【引っかかった点】


 蒼星白炎様もおっしゃられている通り、わたしもテンポの遅さが気になりました。


 物語序盤で読者を引きつけられない作品は、そのまま小説の海に沈んでいってしまいます。

 そして沈んだら最後、ほぼほぼ浮上することはありません。


 そんなの嫌だい!


 では、序盤で読者を惹きつけられる作品は、どんな構造をしているのでしょうか?

 私は4つあると思います。


・第1話に『起承転』をブっ込んで、不遇な境遇から一転、最高に幸せな人生が主人公にやってくるところまでを一気に見せる。

・第1話の時点で『転』までは見せられなくとも、キャッチコピーやタイトルで『これから主人公には最高に明るい未来がやってきます』と予め確約しておく。また、『承』の部分で『最高に明るい未来がやってくる兆し』を見せる。

・『転』が来るまで、ひたすら『起(不遇な境遇)』を凄惨に描き続ける。この場合も、キャッチコピーやタイトルで読者の皆様を安心させる必要あり。

・起承転結とか関係ないくらいキャラが立っている。


 こんな感じだと思います。


 これを踏まえて本作品を分析してみると、

 第1話が起+承。

 第2話が承。

 第3話が承。

 こんな感じになっていると思います。


 やはり、『調香』スキルを使って俺様最強!(転)を見せるのが遅いかなと思ってしまいます。


 第2話の時点で、異世界に転移した主人公をピンチに陥れつつ、『調香』スキルでピンチを克服→このスキル強くね?をする。

 みたいな感じで早くスキルを見せた方が良かった気がします。


 呪術廻戦の世界では、あらかじめ敵に術式を開示することで術の効果がアップしますが、小説は逆です。

 読者の皆様はストーリーを見にきています。


 まずはアクション!

 設定の説明は最小限に!

 バーンと爽快にカッコよく(オモシロく)キメた後で、少しずつ設定を小出しにしていくのが良いと思います!



 以上が私の感想になります!


 ネット小説の世界に舞い戻って日が浅いため、的外れなことを言っている可能性もありますが、その辺はご了承ください。

 ランキング上位作品を分析すれば、より正しい情報が得られるかと思います!


 蒼星白炎様、この度はご応募いただき誠にありがとうございました!


PS :

結局、全話読ませていただきましたw

蒼星白炎様はもしかして薬学部卒ですか?

私は創薬科学卒ですw

キャッチコピーの『バッファー』は専門用語なので、中学生でも分かるように言い変えた方が無難です!

キャッチコピーはめっちゃ重要です!

すべての読者の皆様に、この小説の面白さを伝えられるようなキャッチコピーにしましょう!

キャッチコピーもランキング上位陣から学ぶことができます!

上位陣の執筆スキルを読んで奪いましょう!

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