第11話 キャラも好きな男も被った二人の黒髪清楚ヒロイン?
ピピピっと電子音で目覚めた。
鉛のように重い体と冴えない頭、ベッドから上体を起こす。は~今日も3時間ぐらいか。最近ずっとこんな調子だ。
「いい加減、やめないとなぁ~こんなサイクル…」
溜息交じりに後悔を嘆くが時間は戻らない。そう!俺とあいつの関係のように。
そういえば昨日、席の隣に転校生、そして妹ができたんだっけか。それも義妹。どっちもラブロマンスが始まる予感がしない。初手で慰めヒロインの可能性は排除された。
寝不足あるある。ベッドから上体だけ起こすが、布団から出れない現象に見舞われて、3分が経った。布団でボーっとしちゃうんだよなぁ、これもあるある。
一人で押し問答をしていると急に部屋の扉が急に開け放たれた。
「起きってんなら、はよ降りてこいし」
「ああ…」
いやね?ノックされて、起きろって言われるならわかってあげれるよ?急にやん?
これがさっきも紹介したイカれたメンバーの義妹こと、椿葦里香だ。
一応、起こしてくれるらしい。だが、ちょーだるそうな態度は、いかにも言われたから起こしに来たよ感がハンパねぇっす。
起こしに来てくれたことには感謝せず、朝食を取った。
◇
今日の幼馴染ガチャはアタリ。登校途中出くわさなかった。
ちょい遅れ気味に、でも遅刻しない程度に教室に着くと、俺の席は人でごった返してた。とゆうか隣の転校生と話がしたくて俺の席まであぶれてた。
自分の席に着いて、俺の席に座ってる名前忘れた奴に「どいてくれる?」と言った所、声どもりながら「すびません!!」と言われた。俺、そんな怖いか?
席に座ったと同時に、あいつとアイツが手を繋いで登校してきた。
「よっす!大翔!」
「おはよう、山中」
「おう!大翔~ッッ!!今日もおアツいですなぁ~~」
「よしてくれ、橋田」
「おはよ~!みさ!」
「ああ、あはよう!すみ!」
鳳凰院と話してた、カーストの上位何人かは二人の方へ行く。最近の1-Aはこんな感じだ。二人仲良く登校してきてはみんなから挨拶をされる。俺なんて入学式以来、誰にも挨拶なんてされてないのに…。
そんな様子を遠くから眺めてると、ふと相田と目が合った。いつもこれだ、相田は俺と目が合った瞬間、必ず申し訳なさそうな顔する。いい、いい、いいからそいつに構ってやれ。
あいつとも視線を交わしたがすぐ逸らされてしまった。
「あなた、青春さんか相田さんと知り合いなの?」
突然、隣から鳳凰院が疑問を投げかけてきた。
「ああ、小学校から一緒だ…。」
あいつとは幼馴染どころか、家が隣同士なことを隠したまま鳳凰院に返した。
「その割には貴方、青春さんから気にかけられてる様子がないのだけれども」
「ちょっと、訳あって、今、話せてない」
核心を突かれて内心を焦ってるのを吐露するかのようにしどろもどろに答える。
てか鋭いなこいつ。大お嬢様のっぽく「私、他人に興味ないの」ってタイプの人間だと思ってたが、意外にも人を視てる。
「……。貴方今、失礼なこと考えなかったかしら?」
「ソンナコトナイヨ。それより、俺とはよろしくしないんじゃなかったか?」
「…まぁいいわ。それよりあなたにお願いがあるのだけれども」
よろしくしないのマジどこ行った?まぁ、でも、怪訝そうに見る鳳凰院をうまく躱せたようだ。
って、ん?お願いって?
「私、大翔と…、その…、いわゆる幼馴染ってやつなんけれども、私と大翔が話せるようにあなたの知り合いに話を通してほしいの」
「なあ…俺のクラスでの立場知ってるか?昨日、色々噂聞いたんだろ?」
「ええわかってる…、わかってるけども、私も大翔と疎遠でどうしても話したいのよ…」
お互いに昔馴染みとは話せないというのに俺に矢面に立てと言う。この女マジで!いや、でも…待てよ?
悪態をつきかけたが、一度ここでこいつに恩を売っておけばクラスの立ち位置が好転するのではないか。こいつと仲良くしていれば、こいつ目当てで寄ってきた男子と友達になれるのではないか。
そんな思考に至った。当たり前なのだが、別に好きで孤立してるわけではない。
でも妙だな。こいつの顔なら性格に難がありそうでも、友達ぐらい作ってそいつに橋渡しをしてもらえるはずだ。それをわざわざ俺に頼むってことは、俺にしかないアドバンテージがあるということ。
俺にしかないアドバンテージ…、考え付くのはあいつと俺が知り合いということ。そして二人の俺に対する態度で俺らの´常態´を察した。
察しのイイこいつなら気づいた、もしくは昨日の交流で誰かと聞いたのだろう、二人は付き合ってると——。
それでも自分の今後のクラス内での立場と天秤に掛けて…、いや、天秤に賭けて俺に頼みごとをするのは、あわよくば俺とあいつを仲を取り持ってくっつけたいからではないか?
昨日知り合った女がそんな
情報を精査すると、まず、鳳凰院とアイツが疎遠であること。そしてその関係値を幼馴染以上に戻したいということ。
こいつらの過去に何かがあったのは、、、まぁそこはどうでもいい、内容次第では復縁なんて無理なケースなんていくらでもある。例えば浮気とか浮気とかだ。
問題は鳳凰院側がどーしてもアイツと一緒にいたいということだ。この時期に転入ってのもおかしい。
第三者がこの話を聴いて視てすると誰もが思ってしまうのであはないか。
鳳凰院は浪川が好きで追いかけてきたのではないか?——、とこう帰結した。
考えすぎかもしれないがもしこの通りで、鳳凰院が話を持ち掛けているのだとしら杜撰と言わざる負えない。
それはあいつが俺に靡くのを前提の話で成り立ってる訳で、俺はこの方程式が成り立たないのを知っている。
なぜならば——
´俺は捨てられたのだから´
この事実を伝えるべきか。
正直あいつとは関わりたくない。
でも1年間、いや下手したら3年間ボッチはきつい。
こいつの本当の思惑が別にある可能性だってある。
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