『16barsの鼓動』第二十三章(改定完全版)


 その隣の席では、橘陽菜と紅葉が耳をそばだてていた。

「おお〜《Backstage Riot》って名前、カッコいい!」

「えーうちらも応援団ソング作ろっかな!」

 ことねは顔を真っ赤にしてメニューで隠した。


 さらに窓際では北山望がひとり盛り上がっていた。

「女子高生の青春ソング爆誕!! Silent Riotは町田の希望!!」

 すぐに店員に注意され、外へ追い出されていった。


 帰り道。

 猫丸とみのたが商店街のアーケードを歩いていた。

「粗さが暴れると、世界が揺れる」

「おばちゃんも適当なこと言ってるだけだよ〜。でも、あの音は良かったね」

 べすは尻尾を振りながら、夜風に吠えた。


 Silent Riotの新曲Backstage Riot

 それは町田から全国へ駆け抜ける、最初の爆発だった。

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