人の理、龍の理

​「恩返し」や「変身譚」といった伝統的な民話の形式を借りながら、個人のアイデンティティの消失とコミュニケーションの断絶という現代的な恐怖を描いた傑作だと感じました。

読み終えた後、龍の翡翠色のウロコと、若者の鮮血の赤色のコントラストが目に焼き付いて離れません。

孤独と充足、そして祝福と呪い。
この対比が見事に書かれており、そうするしかなかったという後味の悪い納得感が残ります。