Lady・Jewelry
レディ・オニキスは狂ってる!
だってみんなが言ってるわ。宝石の名前を手にしたのなら、それぞれ鮮やかな色なのに。レディ・オニキスは真っ黒なの!
ああ、なんて恐ろしい闇の色、夜の色、怪物の腹の中の色! ねえ知ってる? あの女、爪がとっても鋭いの。ミス・ガーネットの顔の傷。あれってレディ・オニキスがやったのよ!
怖い怖い女の子。宝石たちの鼻つまみ者! みんながみんな、レディ・オニキスのこと嫌いなの!
だけど、私は知ってるわ。レディ・オニキスは狂ってるけど優しいの。私が転んだとき、他のみんなは破片で傷つきたくなくて離れたけれど。レディ・オニキスだけは手当てしてくれたのよ。だから私、あの子のことちょっと好き。
だけどきっと、レディ・オニキスは世界が嫌いなの。だから、真っ黒闇の色。あの色を纏って、世界を壊しに駆け出したの。
ねえ、あの子は狂ってる。壊れてる。きっとすぐに、砕けてなくなるわ。これまでの狂った宝石と同じように。
だから私、いつかあの子を拾いに行くの! そして、砕けたあの子を指輪にするの! 左手薬指は、約束の証なんですって。だから、その指をレディ・オニキスに捧げるの!
だから、だからね、お願いね。早く早く、あの子が壊れてしまいますよーうに!
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