第23話 「黄金のチェス」亭と霧の源
ほどなくして、馬車は丘の頂上にある立派なホテルの前へとたどり着いていた。
「へい、お待ちどうさん。ここがリゾートホテル、”黄金のチェス亭”ですよ、お客様がた」
アトリは、気取った仕草で貨物馬車の扉を開けると、片手で入口のほうを優雅に指し示した。
「ご苦労さん。それでは本官は、オーナーに話をしてくるとしよう。」
そう言い残すと、警官のオッタルは、すたすたとホテルの入口のほうへ向かっていく。
「んじゃ、こっちは馬にメシでも食わせながら待ってますよ」
アトリのほうは、ホテルの入口の脇にある厩から、勝手に飼い葉桶を持ち出している。
厩には何頭かの馬が繋がれていて、「乗馬指導承ります お一人様一日二百リセより」とか「案内人つき一日観光 コースに応じて」とか書かれた看板がぶら下がっていた。かなりいい値段がするが、馬に乗ってフェンサリルを周るツアーなどが企画されているらしい。
昨日、博物館で会った三人組は、ここから馬を借りてきたのに違いない。
そんなことを思いながら看板を眺めていると、厩の中から大男がのそりと姿を現した。燃え立つような派手な赤毛で、腕の毛や髭まで赤い。そして、はちきれんばかりの筋肉質な体格をしている。
「おい、アトリ。今日来るとは聞いてないぞ」
男は野太い声で言い、じろりとユーフェミアを見下ろして眉を寄せた。――そう、見下ろしたのだ。
ユーフェミアにとって、久しぶりの経験だった。
「あんたは? …村のもんじゃあないな」
「あ、はい。数日前に島に着いて…」
「ヘグニじいさんのとこに世話になってるらしいぜ。停車場で会ったんでな、ついでに乗せてきたってわけだ」
アトリが、自分の馬に餌と水を与えながら言う。
「ああ、お嬢さん。こいつはヘイティ、ここのホテルの接客係と厩番だ。」
「紹介はいい。お前、今日は何の用事だ? ここへは三日前に来たばっかだろう」
ヘイティと呼ばれた男は、何故か、かすかに苛立っている。
「オッタルの旦那の送迎さぁ。島に指名手配犯が入り込んだってんで、念の為フェンサリルにも手配書を配りに来たんだ」
「ほう…。指名手配犯ねえ」
男は、ちらとホテルのほうを見やる。
「ということは、オーナーと話しに行ったんだな。今日は泊まりか? 部屋は必要なのか」
「いいや。オレは従業員用の部屋借りて泊めてもらうつもりだっただけどな? オッタルの旦那は、フェンサリルは苦手だからって日帰りしたがってるんだよ。まあ、霧が出ちまえば日帰りもクソもないんだが。いくら夏で日が長いとはいえ、灯りもない道を遅くまで走りたくはないんだがねぇ」
アトリは、やれやれと肩をすくめる。
「おっと。ところでお嬢さん、あんた、観光に行かなくていいのかい? 湖なら、ホテルの裏側だぜ」
「あっ、そうでした。行ってきます!」
ユーフェミアは、慌ててホテルのほうに向かって駆け出した。オッタルの用事は、それほど時間のかかるものでもあるまい。手早く周辺の様子見を済ませないと、停車場まで一時間かけて丘を下るはめになる。
駆け出してから、ふと足を止めて振り返ると、アトリとヘイティは、厩の前で何やら親しげに話し込んでいる様子だった。
アトリは毎週ここへ荷物とお客を運んで来ているのだし、ホテルの従業員と友達でもおかしくはない。ただ、そのわりに、最初にアトリを見つけた時は嬉しそうな気配はなく、むしろ、決まった日以外に来られたのが迷惑だというような雰囲気があった。
それに、ユーフェミアを見下ろした時の顔つき。
高級リゾートホテルの従業員だというのに、接客の丁寧さなどはなかった。ユーフェミアが客ではないと思っていたらあんな表情をしていたのか。それとも、単に無愛想なだけか、機嫌が悪かったりしたのか。
――あまり良い印象を持てなかったのは、事実だった。出来れば、あの男とはあまり関わりあいにならずに済ませたいとさえ思うほどに。
彼女はそのまま、ホテルの脇を通り抜けて裏手にあるという湖のほうへ向かっていた。
表玄関から裏側に向かっては、庭園のような整備された植え込みが続く。近代的な、ユーフェミアの知る都市部の公園のような整備の仕方だ。ここを作った――あるいはホテルとして改装した誰かは、他の島の”都会”の様子を良く知っている人物に違いない。
間近から見上げるホテルの建物そのものは、ユーフェミアがいま寝泊まりしている屋敷と似たような作りの古い邸宅のようだった。ここ百年かそこらの間に作られたもののためか、城壁などは無く、砦のような無骨な重厚さは無い。代わりに、細かな彫刻な洒落た柱などが取り付けられ、様々な時代や様式を張り合わせたようなゴテゴテした豪華さを纏っている。
(これって…ここを建てたブレギって人の趣味? それとも、今のオーナーが付け足したのかな…。)
少なくとも、あまりいい趣味とは思えない。何の脈絡もなく庭に建っている、壺を抱えた上半身裸の女性像などは、成金趣味としか見えなかった。
だが、庭を周ってホテルの反対側に出ると、そんな興ざめする雰囲気は消え、一気に絶景が広がった。
「…うわあ」
思わず声が出てしまう。
目の前に広がるのは、静かに景色を写し込む青い湖、その向こう側のすぐそこに、火山の尖った威容が見えている。湖の周囲は広く開けていて、その先は、青い空と、海へ続く急斜面がある。
何の飾り気もない、それでいて雄大で神秘的な景色。掛け値なしの、まさしく、「ここにしかない大自然」というやつだ。
「いい景色だろう?」
ふいに、植え込みの向こうからしわがれた柔らかい声が聞こえた。
振り返るとそこに、木陰に長椅子を持ち出して、ワインを傾けながらのんびり寝そべっている小柄な老人がいた。
ずいぶんラフな格好で、日光浴のためか上半身は裸、下半身はヒザ下までの短いズボンだけ。長い髭は腰のあたりまで垂れ下がって、頭のまばらな毛は散らばったままだ。
リゾートホテルなのだからリゾートしてもいいのだが、それにしても…あまりにも開放的すぎる。
「おっと、若い娘さんの前で失礼したねえ」
ユーフェミアのあっけにとられたような視線に気づいて老人は、椅子に引っ掛けてあった上着を取って羽織った。心持ち、人前に出られるような見た目になったようには思われる。
「学生さんかね? ここの泊り客にはいなかったようだが」
「いえ、私は、…その、村にいる親戚の家に泊めてもらっているんです。いちどフェンサリルに来てみたかったので」
「ふむ、なるほど。その容姿からして、ヴァニールの末裔のご帰還かな? おっと、申し遅れた。小生はルベット、ここでのんびり死を待つ引退老人だよ」
「ルベット?…」
記憶の中に引っかかる名前だった。
しばらく考え込んでいたあと、ユーフェミアは、はっとして鞄の中から二冊の絵本を取り出した。港町の観光案内所で手に入れたものだ。
「これ…著者のルベット・グンドゥルって、もしかして…おじいさん?」
「おお、そうだよ。懐かしいなあ、三十年も前に書いたものじゃあないかい。まだ読まれていたんだなあ」
老人は眼鏡を持ち上げながら色褪せた絵本の表紙を確かめて、嬉しそうに笑った。そして、茶目っ気のある顔でユーフェミアを見上げたる
「サインが欲しいかい?」
「いっ、いえ。それは、ええと…必要ないんですけど」
それどころではない。本当にこの老人が絵本の著者なら、聞きたいことは山程ある。
「それより、この絵本、どうやって書いたんですか? どうやっていうか…取材したというか。誰かに聞いたんですか」
「ああ。小生の専門は民俗学でね。古い伝承の聞き取り調査でフェンサリルへは何度も訪れていたんだよ。引退前に勤めていた大学では、論文や専門書もたくさん出していたんだ。で、その縁で、観光客向けにも分かりやすい本を作ってほしいと頼まれて…そう、当時の観光案内所の旦那さんだったか。その時に書いたやつだ。内容はフェンサリルで聞いたものばかりだよ。その当時、すでに島の古い伝承は、フェンサリルくらいにしか残っていなかったからなあ。」
「この、”おまじない”の本に載ってる内容もですか? 実際に、このおまじないを使ってる人がいたってことですよね。それに、小人の話も…。」
「ああ、そうだよ。年寄りたちは、その”おまじない”をよく信じておったよ。小人の話も多分、同じ年寄りたちから聞いたはずだ。まあ、もう三十年以上の前のことだからな、その人たちは皆、小生より先にあの世へ行ってしまっただろう」
「……。」
老人の目に、同好の士を見つけた時のようなきらめきが宿った。
「お嬢さん、そういう話に興味があるのかい?」
「ええ、まあ…。」
「ほっ! なら、ぜひゆっくり話をしようじゃあないか。ん? どこから話そうか。何を聞きたい? 嬉しいなあ。ここじゃ、そういう話に付き合ってくれるのは、ホテルのオーナーくらいのものなんだよ。小生は暇だからなあ、いくらでも時間はあるぞ」
「ええと、あの…私も、聞きたいことはたくさんあるんです。でも、今日は時間が…」
この宿に泊まるだけの所持金は無いし、夕方には戻ると言って出てきたのだ。ここから停車場まで貨物馬車で送ってもらったとしても、丘の上の屋敷に戻るのには一時間以上はかかるだろう。
「私、ユーフェミアといいます。今日はホテルの見学に来ただけなので、またゆっくりお話を聞きに来ます」
「おや、そうかい。ならホテルの案内をしようか? ここは面白いところだぞ。ホールの雰囲気も好きなんだが、展望台が一番のお気に入りなんだ。火山がよく見える。よっこらしょ」
言いながら、老人は椅子から立ち上がった。
「どれ、案内してしんぜよう。ついてきなさい」
「あ…でも…」
言いかけた時だ。
ユーフェミアは、ホテルの裏庭の奥に見えている、建物の中に入るための扉が、うっすらと白く滲んで見えることに気がついた。
(…え?)
思わず、湖のほうを振り返った。
白い霧は、すぐそこから押し寄せてくる。さっきまで静かだったはずの湖面がざわめき立ち、水が沸騰するかのように霧を吐き出し続けている。ほんの一瞬で、目の前にいた老人の姿も、中庭の風景も、自分の足元さえも覆い隠されてしまう。
(まさか…。霧って、ここが出どころなの?!)
椅子に足をひっかけて転ばないようにするには、その場でじっとしているしかない。
それにしても、この霧はやはり異常だ。
一瞬にして風景どころか体の感覚さえ定かではなくなる。すぐ側に居たはずのルベット老人の気配すら感じ取れない。霧に包まれるというよりは、感覚の全てが遮断されている、と言ったほうが正しい。
その、何も感じられないほどの霧の中、やはり今回も過去の情景を映し出す幻覚が現れた。――人のざわめく気配と、優雅な音楽。さっきまで湖が見えていた辺りからだ。
音のする方に目を凝らしたユーフェミアは、いつのまにか、そこが大広間のような空間に変化していることに気がついた。
太い柱に支えられた空間にひしめきあうざわめきは、居並ぶ家臣たちのもの。広間の奥には、黄金の玉座。玉座には誰も座っておらず、その手前には大きなテーブルがいくつも並べられ、料理と、酒とが積み上げられている。どうやら宴会の最中らしい。
そんな風景を前に、謁見のために訪れた人々は、玉座と対峙するように広間の入口に立っていた。
◆◆◆
「ヴァニールの族長、ヘルガ様のお越しです!」
先触れが広間の入口で告げ、人々が振り返る。
堂々たる様子で先頭をゆく女性は、左右に戦士たちを従えている。一人は熊の毛皮を纏った若い男。そしてもう一人は、狼の毛皮を肩にかけた既に初老に達しようかという男だ。
ヘルガの後ろには、視線を落とし、背をちぢこめた少女が叔母の影に隠れるように続いている。彼女もまた、二人の従者を引き連れていた。
ユーフェミアにとっては見覚えのある人々だ。
ヴァニールの女族長ヘルガと、熊の戦士シグルズ。姪で次期族長のフレヴナと、彼女の従者でヘルガの息子であるヨルムガルデとフェンリス。
ヘルガの連れているもう一人の男、狼の毛皮の戦士だけは誰なのかさっぱり分からないが、どこかで会ったことがあるような気がする。恐れ知らずの黒い瞳、堂々たる灰色の髪――。きっと、この男も優れた
一行が進むため、宴会の人々が道を開ける。酔っ払って道を開けようとしない者は、従者である戦士たちが力付くで脇へどけた。ヘルガは慣れている様子だが、後ろにいる少女――フレヴナは、酒臭さと荒くれたちの泥酔した様子に怯え、なるべく絡まれないようにと身を小さくしているばかりだ。
一行は、玉座の前に立つ、流れるような金髪を持つ立派な体躯の男の前で立ち止まった。
「しばらくぶりだな、エーシルの長ヘリアンよ。勝ち戦と決まったわけでもないのに既に宴とは、なんとも気の早いこと」
「前祝いだ、景気づけのな。ようやく城壁が完成したのだ、竣工を祝うのは当然だろう」
酒の杯を手にした男が、からからと豪快に笑う。
「お前たちも飲み食いしていくといい。どれヘルガ、久しぶりに酌でもせんか?」
「やれやれ…。」
ヘルガはため息をつき、後ろに隠れようとしていた姪の腕を掴んで前に引き出した。
「此度は、宴に出るために来たのではない。後継を紹介しに参ったのだ。兄の娘フレヴナ。我がヴァニールの行く末を担う娘だ」
「ほう」
金髪の男は髭をしごきながら、怯えている少女を見下ろした。
「これが、あのヘイミルの娘か。瞳の色はよく似ているが…しかし、ずいぶんと気弱そうな娘だな」
「貴殿らエーシルは強気すぎる。我らに必要なのは慎重さなのだ。」
ぴしゃりと言って、ヘルガは姪を見やった。
「この子の持つ予言の力は誰よりも強い。大きな力を持つ者は、責任ゆえに自らの持つ力に怯えるものだ。だが、正しい使い方を知り、自信を持てば、恐れは消える」
「ふん。ならば早急に戦い方を教えておくといい。予言の力など無くとも、我にも分かる。――破滅の時は近いぞ。」
言い終わるか、終わらないかのうちに、地面がズズッと音をたて、建物が揺れた。どよめきが起こり、戦士たちは表のほうに視線を向ける。
広間の奥に開かれた窓の外では、火山が細く煙を吐いている。噴火するほどではないものの、限界まで溜め込んだ熱が山のあちこちから漏れ出して、今にも弾け飛びそうになっている。それを見つめる大人たちの眼差しは、険しいものだった。火山が噴火すればどうなるのか、何が起きるのか、いやというほど分かっているからだ。
地震の収まったあと、ひとつ息をついてからヘルガが口を開いた。
「ところで、そなたの娘はどうした? 同盟条約の落とし子だ」
言いながら、目の前の金髪の男の左右に視線をやる。側に侍っているのは同じ金髪をした若者たちだけで、女性の姿はない。
「ああ、アレか。さあてな? どこか、そのへんにいるだろう」
そう言ってヘリアンは、興味もなさそうに、テーブルの上の杯を取り上げる。慌てて、側に居た若者が囁いた。
「父上…。ラウフェイはここにはおりません。先日、西の館に連れていくよう仰せになったではないですか」
「そうだったか? なら、そこにいるのだろう」
「要するに、用済み扱いにして僻地に流したのだな」
ヘルガは呆れ顔だ。
「ヨートゥンどもとの和平のため、人質代わりに娶った女との間に出来た子だとしても、貴殿の血を引く子に違いないではないか。せめて親としての責務は果たすべきだろう」
「あれの目が気に食わん。見ているだけで苛々させられる。それに、おお。巨人族の女の体臭は酷いものだった。
「父上…酒の飲み過ぎですよ」
もう一人、反対側にいた背の高い年かさの若者がたしなめるような口調で囁く。
「なんだ、トール、ヘイズ。お前たち、まさかあれに情でも移ったのか? なら、お前たちが引き取ってやればいい。」
「そんな話はしておりません。ただ、確かに父上の血を引く子を放置するのはまずい。あれはエーシルの血族です。我らと同じ力を持っているはず…」
「使い方も教えていないのに、か? それに、あれはヨートゥンの血のほうが濃いだろう。見た目も、臭いも、何もかも。ちっとも美しくないではないか。もし、あれにルーンが扱えるのなら、それこそ驚きだろうよ」
王は鼻で笑い、杯を飲み干して、乱暴にテーブルに置いた。
「さあ、宴を続けよう! 破滅の時を恐れるな。運命を受け入れよ! 我らの備えは終わったのだ。いざ、その時を待つまで!」
広間に集まった人々がワッと歓声を上げ、荒々しく剣で盾を打ち鳴らす。楽士立ちが音楽を奏で、道化師たちが曲芸を披露し始める。
ヘルガはやれやれというように首を振り、伴の者たちを連れて広間を出てゆく。
と、そこへ、さっき父を諌めようとしていた若者の一人が、駆け寄ってきた。
「お待ちを、ヘルガ様」
「おや…ヘイズ殿。どうされました?」
「いえ。我らの末妹、ラウフェイのことなのです。先程の話のとおり、父はあの子を実子として認めておりません。ですが…確かに父の血を引く子、末席なれどエーシルの王位を継ぐ資格さえある者です。どうか、気にかけてやってはいただけないでしょうか? 西の館は、ヴァニールの里とも近い場所にあります」
「そうだな。同盟破棄のどさくさで母までも失った不憫な娘だ。機会があれば、気に掛けることにしよう」
「ありがとうございます!」
若者は、ほっとしたような顔で丁寧に頭を下げ、期待を込めた眼差しをフレヴナのほうに向ける。
「では、また。」
意味深な感情を込めた言葉を彼女にだけかけると、彼は広間のほうに駆け戻ってゆく。
爽やかで、人の良さそうな若者だ。父親の、やや傲慢な態度とはずいぶん違う。
フレヴナは、怪訝そうな顔で叔母の方を見上げた。
「その、ラウフェイって人は…どういう…?」
「お前より少し年下くらいの女の子よ。母親はヨートゥンだけれどね。もしかしたら、仲良くなれるかもしれない」
「……。」
「さ、お披露目も済んだことだし、我らの城へ戻りましょう。」
ヘルガの合図で一行は、預けておいた馬のたづなを受け取って、馬に乗って霧の奥へと駆け去ってゆく。
霧が、霧の中に見える風景が薄れて消えてゆく。
その向こうから、元どおり、明るい日差しに照らされた湖の姿が浮かび上がる。
かつてここにあった、戦士たちの集う壮麗な宮殿の記憶。
滅びてしまったエーシル族の族長である王と、その息子たち。
エーシルの犯した不実の罪も明かされた。婚姻によって結ばれた偽りの同盟は、実を結んでおきながら無情にも破棄されたのだった。
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