NMKからきました。

Fuc休

第1章 ホピ族の予言と3I/ATLAS その1

ピンポーン


インターホンが鳴ったので玄関へ行き、ドアを開ける。


「NMKからきました。」


「NHK?ウチはちゃんと受信料払ってますよ?」


「いえ「N“H”K」じゃないです!「N“M”K」ですっ!」


「はい?」


「日本“放送”協会ではなく、日本“滅亡”協会です!!」


そういって、ドア越しに立っていた(ちょっとカワイイ)若い女性は私に名刺を差し出した。


『日本滅亡協会 目津房擦代(めつぼうするよ)』と記載されている。


「とにかく、私の話を聞いてください!日本は滅亡しますっ!!」


目津房という女性はとんでもないことを言い出し、そのまま話始めた。


「ホピ族の予言って知ってますか?」


「いや、知りませんけど…」


「ホピ族は、アメリカのいわゆる“ネイティブアメリカン”で、口伝や岩絵で予言や

神話を代々受け継いできた部族なんです。」


「ホピ族の予言は、環境破壊や技術の進歩などを予言しているのです。」


「はぁ…、宗教か何かの勧誘ですか?」


私の発言を無視して、目津房さんは話続ける…。


「ホピ族の予言によると、人類は「バランスの取れた生活」を求められていますが、自由主義とか戦争で、この守るべきバランスが崩れてきているとされています。」


目津房さんの熱弁は段々宗教っぽさを含み始めた。


「バランスの崩壊が進み、世界の終わりが近づくと「浄化の日」、つまり滅亡の日が訪れて、新しい世界へ移行するんです!」


「「“世界の終わり”が近づいてますよ?」とあなたは言いたいのですか?」


「私の話をまとめないでくださいっ!まだ話は終わってません!!」


何故か怒られてしまったが、顔がカワイイので言い返すのはやめた。


「そんな感じで、1960年頃、当時のホピ族の長老が、「浄化の日」が来る前の“9つの兆候”を大発表しました!」


「…」


「興味がなくなってきましたか?わかりました!また明日、訪問させていただきますねっ!」


「え?」


そう言うと目津房さんは、スタスタとどこかへ行ってしまった。


数秒後、隣の部屋のドアが開き、そこから住人のおばちゃんが顔を出して、こんな

ことを言った…。


「あの娘、また来てたんだ…。」

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