第21話 人生の分岐点
ロイ・クロフォードまたの名をロイ・サラディーナは2年生になった。
1年生と違い魔法科、剣術科の生徒は授業への参加は自由となり各々自身の研究や研鑽を積んでいくことを重視される。
ロイは自身の魔法をより効率的に行えるよう研究を続けていた。
水蒸気爆発の威力やその他新しい魔法の研究を行っているロイの元にイデアが顔をだす
「やぁロイ君研究は進んでいるか」
「あぁ!もう少しで掴める気がするんだ。」
ロイが編み出す魔法、硬度と軽さのある物質を生成し高速な回転を加え弾き出すことによって
前世で言う銃のような魔法を考えていた。
ロイは手を前に突き出しマナを練り上げる。
極大魔法のように大気中のマナを利用しより緻密に物質を生成する。
ダイヤモンドのように固く、エアロゲルのように軽い。
次第に丸い物質が出来上がる
形を弾丸のように形成していく。サイズは.......
そうだな、12.7mm×99mmNATO弾だな。
M82アンチマテリアルライフルのような対物ライフルで使用される大きい弾丸が出来上がる。
そしてこれを回転。
弾丸は徐々に回転速度を上げていく。空気摩擦で赤く熱を帯び次第に甲高い音も鳴り出す
そしてこれを弾く
高速で飛び出した弾は巨大な岩を粉砕した。
確かにそこにあった岩は姿を消し去り砂利のように地面に散らばった。
イデアは震えた「こんな威力。もう極大魔法じゃないか。ありえない、なんだこの魔法は聞いたことがない」と戸惑っていた
ロイは言った
「そうだな、これを疑似極大魔法のアンチマテリアルライフルと名付けよう!」と
それからしばらく時間が経ちロイとイデアは食事をとっていた
「なぁロイ君卒業したらどうするんだ?」
イデアが唐突に聞いてきた
しばらくロイは悩み答えた
「旅に出ようと思う。金は魔物でも狩って魔石を集めるしこの世界をもっと知りたい。何より気になることもあるし」
そんな話をしているとイデアは極大魔法の魔術師として四聖アテナに認められるよう研究を続けると言った。
そして旅に出るならまずリュウトゥーを目指すと良いと教えてもらった、商業大国のリュウトゥーはこの世界のすべてが集まる場所と言われており何か知りたい情報があるのなら行って損はないと
ロイは有益な情報を得たとイデアに肉を分ける。
それからロイとイデアは日々自身の魔法の研究を行い続け4年生の冬になった。
ロイは12歳になりサレンディアを卒業する年になる。
この2年で身長は伸び声変わりをした。
髪は少し伸びたが整えられており、かなり顔立ちがいい男になった。
ベガの一件があってからチェルシーとレオには会っていない。
旅に出る前にサルファとイラ達、レオとチェルシーに声をかけておこうと出向いた。
レオとマギアに挨拶をしたが家にチェルシーはいなかった。
どうやら1年前に休学し先に旅に出たとレオは言っていた。
まさか、チェルシーも旅に出たとは思わなかったが何処かで出会えるかもと少し期待を抱く。
そして、サルファ達に会いに行くとイラから言われた
「兄さんに似てきたね」と
確かに顔立ちは少しライに似てきている。
他愛無い話をした学校のこと、イデアの事そして旅に出る事。
みんなは笑顔で送り出してくれた。
寮に戻りすべての荷物をまとめた。
ローブを身に着けリストバンドを手首に巻きリュックを背負って学校を去った。
色々と学ぶこともできた。学校に一礼し
家族と住んでいた家に足を向けた。
3か月が経ち、季節は春。
準備を終え荷物を持ち家を出るロイ。
その日は雨が降っていた。即席の墓の前にロイは立ち
フードを深く被り手首にまかれたリストバンドを眺めゆっくりとその場を去った
「かあさん。とうさん。また来る。次は美味しい酒でも持ってくるよ。」
足音は激しく打ち付ける雨音に消されていく。
ロイ・サラディーナ12歳サルファにもらった地図と金貨の入った袋を確認し
商業大国リュウトゥーに向け足を進めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます