第7話

和哉「…仕方ねぇな…俺も行くよ」


神谷「ありがとう!じゃあ早速色々準備しないとね!」


和哉「…あ、あぁ…」


勢い任せに言っちまったぞ…

どうすればいいんだ…

神谷を説得する方法なんて…


ガチャ…


車に乗車する2人


神谷「よし…!」


和哉「なぁ…こんなの…」


コンコン…

誰かが車の窓をノックしている…


神谷「え…?」


貴也「よっ、何やってんだ?」


和哉「貴也!?どうしてこんなとこに!」


貴也「あ〜…バイト帰りだよバイト帰りほんとたまたまなんだ笑 …で色々どういう状況なのか聞きてぇんだが…」


なんだ…貴也…今の間は…


神谷「…」


和哉「地球滅亡までに馬場組をこの車で轢くんだ…」


貴也「はぁ…お前らバカか…?あのなぁ…あんなフェイク映像…」


神谷「フェイクじゃない…!ほら今も…」


神谷はスマホの画面を貴也と和哉に対して見せる


和哉「あと5日になっている…!前よりも隕石が近いぞ!」


貴也「…ほんとによく出来たフェイク映像だな…あのな…地球と比べてこの隕石の大きさ…お前らこれなら今頃地球から見えて各メディアが大騒ぎ…とか考えないのか…?」


神谷・和哉「…!」


ごもっともだ。

俺ら以外にもこのメッセージを

受け取っている人間が居たとしたら

とっくに各メディアに訴えて…

もしくは観測されてニュースになっているはず…


貴也「…和哉もいきなり人が変わった様な行動ばかりで何やってるかと思ったら…しかもそんなに怪我して…」


和哉「うっ…」


貴也「はぁ…お前らとりあえず落ち着けよ…そうだゲームでもしようぜ笑」


貴也は呆れ気味に投げかけた。


和哉「ゲームはもう散々したんだよ…あ、でも神谷あのゲームバカ強いんだよな…貴也、1回闘ってみないか?」


貴也「お?それはいいな。今度から慶太抜いて俺と和哉、尚輝に神谷でやるか?笑笑」


神谷「そんな…そんな…せっかく…せっかくあの日常から逃れれると思ったのに…あぁ…!クソっ…!!」


神谷は止められた事への苛立ち

フェイクだと知った時のショックで

おかしくなっていた…


和哉「お、落ち着けよ…!」


貴也「そうだ…!殴られてる動画を撮ってネットに晒すか…神谷…顔は隠すつもりだけど…これで事態は動くんじゃないのか…?」


貴也が場を取り繕うために意見を出した


神谷「いじめを告発すれば…おさまるのかな…」


今はこの策に乗じて…

神谷の行動を止めるしか…


和哉「そうだよ!貴也ナイスじゃねぇか!上手く行けば馬場組みんな退学じゃねぇか!?」


貴也「まぁ、とりあえず馬場組を殺すなんて事はよせよ…気持ちは分かるけど…地球が滅亡しなかったら神谷はずっと逃げ続けなきゃならねぇし…」


それからも3人は誰が喋り出すとかもなく

奇妙な時間が流れた


神谷「あっ…GPSが…山から移動してる…」


和哉「瀬戸も…もうみんな解散するだろうな…」


神谷は落胆し再び黙り込んでしまう…


貴也「…とりあえず今日はもう寝ようぜ」


和哉「なぁ…貴也、俺は神谷と一緒に居るわ」


貴也「…あぁ、まぁ俺に別に言わなくても好きに居てあげればいいんじゃねぇか? しかしお前らそんなに仲良くなってるとはなぁ…」


神谷「…」


和哉「…まぁな」


貴也「…じゃあな、お前ら余計な事考えんなよ。」


和哉「…神谷…戻ろうか…」


神谷「…うん…」


ガチャ…バタン


俺らは神谷の自室に戻って…


和哉「神谷…」


神谷「…藁にも縋る思いだったんだ。こんな日常を変えたいって、弱い自分を変えたいって、でも…もう変わらない…また同じ日常を過ごすことになるんだ…僕に残っていた機会ももう無くなった…」


和哉「…同じじゃねぇよ。」


神谷「え…?」


和哉「…その…俺が居るから…前みたいな日々とは違うんだ…例え地球滅亡が嘘だったとしても…人は変われると俺は思う。神谷だけ変わるのが難しくても…俺と一緒になら…できないかな…」


神谷「橋本君…」


何を言ってるんだ俺は…

あの時の姫咲さんの言葉…そのまんまじゃねぇか…


和哉「なぁ…もっかいゲームしねぇか?笑」


神谷「…うん…ありがとうありがとう…」


地球滅亡が…嘘か…

どうかしていた…けど…

もしかして姫咲さんも…この嘘信じてて

変わろうとしてたんじゃないのか…?


だとしたら…この状況になったのも

この嘘のおかげ…

俺と神谷にはメールが来てて

貴也にはメールが来てないのはなんでなんだ…?

待てよ…あいつ…


ー[よくある凝ったフェイク映像じゃねぇか?]ー

ー[はぁ…お前らバカか…?あのなぁ…あんなフェイク映像]ー


メールが来てないなんて一言も言ってないよな…

いやだとしたら慶太、尚輝はどうなんだ…


ーその頃ー


貴也「はぁ〜…危ねぇ危ねぇ…まったくあいつら…」

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