好きになってしまい、ごめんなさい

明星麗亜

第1話 手紙

拝啓、大好きだった先輩へ。


ご卒業おめでとうございます。


初めてあなたにお会いした日のことを、先輩は覚えていらっしゃいますか?

私は、今でも昨日のことのように覚えています。


あの日は入学式の次の日の、初めてのクラスホームルームの日でしたね。

先輩たちはお手伝いのために私たちのクラスに来てくださる時に、道に迷っている私をクラスまで案内してくださいましたね。あの時は助けてくださり本当に助かりました…あ、実は、その時から私は一宮先輩のことをお慕いしていたんですよ?今だから言えることなのですけどね笑

そして、そこから先輩方がサークルの活動を披露する場に見学に行った際も、実際にサークルに入った際もずっと一宮先輩のことだけを見ていました。

本当は、このことを伝えることをためらっていたのですが伝えずにさよならをするのは嫌だったため、今日こうやって手紙で伝えさせていただきました。

雫が先輩のこと好きなことも十分承知の上でここで伝えさせていただきました。

お返事などは不要です。ただ、先輩のことを慕っていた後輩がいたことを忘れずにいてくださったら光栄です。



あの日、一宮先輩にお会いできて本当によかったです。


卒業され、もう毎日のようにお会いできなくなるのは寂しいですが、先輩方の門出をこっそりお祈りしています。

卒業しても頑張ってください。そして、時々私たちに会いに来てくださると嬉しいです。澄春先輩、大好きでした。


20xx年 3月 18日  早瀬湊より。

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