第14話

俺は退院して精神科デイケアに通い続けたが、やがて志村けんが死亡するニュースが流れて日本中が沈み、世間がキチガイのように、手洗いうがいマスクを連呼するようになった。


なのに、安倍さんは何も対策してくれない。


我々困窮者の声を誰も拾ってくれないし、感染拡大も収まらない。国がくれるのはしょーもないアベノマスク。


俺はアベノマスクを燃やし、安倍さんを憎み、れいわ新撰組に傾倒して、世の中を恨んだ。


そうすることで、嫁からの虐待を政府に向けさせるつもりだったが、虐待が収まることは一向に無かった。


そしてある日、俺は虐待に耐えかねて嫁に反撃し、遂に離婚までしてしまった。


俺が福岡に来て今までやって来た苦労はなんだったのか?


そんな辛い時、もうそこには園田さんたち理解者の姿も無かった。


もうこんな生活は懲り懲りだ。

俺は一念発起して職業訓練校に通い、職業訓練校を卒業してから就労移行支援に通って、粗食に耐えながらようやく社会復帰した。


気付いたら俺は、もう3年も生活保護を受けていたのだった。


三苫のデイサービスで正社員となった俺は、ようやく生活保護を脱出した。

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