第13話
程なくして患者と結婚した俺は、
幸せのあまり幻覚や幻聴が聞こえるようになった。
そんなある時、ブチっと脳内の回路が外れる音がして、それから正気を保つことが出来なくなった。
やがて俺は、自分で警察に通報しておいて、やって来たパトカーをヤクザの襲撃と勘違いして模造刀を抜刀、
留置所に入れられた上で、また同じ精神病院に送られてしまった。
そして、付けられた診断名は統合失調症だった。
俺は最初の一ヶ月間、鍵をかけられる閉鎖病棟に閉じ込められ、残りの一ヶ月間を病棟内で自由に過ごせる開放病棟で過ごした。
しかしその空間の、皆んなと大富豪や神経衰弱をした面影は、跡形もなく無くなっていた。ただ知らない患者達が談笑していて世の中は鬼滅の刃一色になっていて、俺は2018年の記憶を引きずり続ける化石となっていた。
退院してからというもの、嫁の顔はのっぺらぼうになり、次第に俺は、迷惑をかけた腹いせで虐待されるようになった。
2020年、世の中がコロナ禍に突入した頃の出来事だった。
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