第2話
専門学校で2番目に付き合った女性は、
筑豊出身の25歳の看護学生だった。
彼女とは山口国体のボランティアで知り合ったが、一緒に何日も行動したので、両想いになるのに時間は掛からなかった。
そんなある日のこと、
高校の友人と防府駅前を歩いていた時に、彼女が自転車で通り過ぎて俺に声を掛けて来た。そして、彼女の口を見て、友人は俺に残酷なことを告げた。
「あの女の人、歯の矯正器具がアグリー・ベティみたいやね。」
そんなことを言うな、聞かれていたらどうする?
と、俺は心の中で思ったが、友人の前で恥をかきたくなかったので、「確かにそうやね」と言ってしまった。
それから程なくして、俺は彼女と話したが、
彼女の顔を直視することが出来なかった。
そして、そんな時、彼女はボソリと呟いた。
「あなたはまだ若いんよ。大人の汚い世界を知らないんよ。
もっと苦しんだり痛い目を味わって、人生に深みが出るようになってから私の前に現れて。」
俺はショックでバイトを辞めて、ヤケクソになって韓国に一人旅した。
19の冬
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