第2話 下調べ ゼンリンvsストビュー&賃貸住宅検索サイト
市が行った国勢調査の説明会で渡された地図はゼンリンの住宅地図だった。2月のデータで作成されたものだということだった。上から見た家の形、名前が入っている。さすがゼンリン。これでほぼ問題ないかと思われた。
念のため担当調査区をグルっと回ってみる。調査票を配る前に国勢調査実施を知らせるチラシを全戸配布することになっている。その配布時期よりも前に回ってみた。だから国家公務員扱いを示す調査員身分証明も青い色の専用バッグも持たず、速足で歩いて1時間。担当地域の形がほぼ分かった。
ゼンリンの地図に入っている文字は家の大きさに入るように合わせてあるので、事務所を兼ねている住居に書かれてるのは事務所名と個人の表札の名前。このためとても文字が小さい。実際に歩くことでその両方を確認することができた。しかし表札が見当たらない家もある。ゼンリンさん、どうやって見つけたのだろう。ゼンリン調査員の眼力に舌を巻いた。
ふと気が付いてグーグルのストリートビューで担当区を見ている。最近あまり更新されていなかったので、新しい情報になっているとは期待をしていなかったが、偶然なのか、こちらも今年の2月の写真になっていた。ストリートビューを使うと住宅街の家はほぼ全戸表札を見ることができた。表札は必ずしも道路を向いてに出ているわけではなく、前面道路に直角の位置にポストやインターフォンなどと一緒に設置されていることも多いことが分かった。歩いてみて位置が分からなかった表札が、ストリートビューを使うとよく分かる。
担当している地区の中に1棟だけ4階建ての建物があった。そのすぐ横を歩いても何階建てなのか分からない。ストリートビューでは離れたところを見上げることができ、何階建てで部屋が何室くらいあるのかを想像することができた。
ならば、この建物どのくらい空き室があるのだろう。まだチラシの配布時期ではないので、建物内の入ることはできない。ためしに賃貸住宅の検索サイトを見てみる。ぴったりの物件が出て来た。複数の空き室があるようだ。間取りも出ている。説明を読むと、南面、北面に部屋があることが分かった。大変だ。これは沢山の単身者がいる集合住宅かもしれない。
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