撃滅のピンカーヴィー ~落第少女達の成り上がり~

マノイ

第一章 最後の希望

1. 練習飛行

briefing 


 はじめまして。

 当基地の司令官のオスカーだ。


 早速だが本作戦のブリーフィングを行う。

 場所はゴーテンヴァ諸島上空。そこで編隊を組み哨戒活動を実施しろ。

 作戦空域は基地周辺。周回するように飛び、敵影を探せ。

 自由に飛んで良いが、作戦空域から離脱しないことだけは必ず守れ。

 死にたく無ければ……な。


 ふむ、どうやら緊張しているようだが、その必要は全く無い。

 哨戒任務と称してはいるが、今回の作戦は練習飛行。

 つまり訓練だ。

 失敗を恐れず研鑽に励むと良い。


ーーーーーーーー


 海に面した巨大な洞窟。

 無数の小島に囲まれたその場所は、上空からでは余程の低空飛行で無ければ見つけられない。


 まるで海賊の隠れ家かのようなその洞窟の入り口に、四人の人物が横並びに立っていた。


 一人は全身を赤で統一しているハーフパンツの格闘少女。

 露出している手足はスラっと引き締まっており健康的だ。

 グローブで覆われた両拳を握り、控えめな胸の前で突き合わせる彼女は歯を見せて笑い好戦的な雰囲気である。


 一人は足元まで覆われている真っ白なローブを纏った修道女。

 ローブで体型が隠されているにも関わらず激しい凹凸が見て取れることから、かなりのプロポーションであることが分かる。

 その顔は穏やかな笑みを湛えているが、どこか胡散臭いと感じるのは気のせいだろうか。


 一人は部屋着のようなラフなシャツと緩いパンツルック姿の少女。

 背丈が小さく、中学生か、あるいは小学生と言われても違和感が無い。

 これから出撃なのだが緊張感が無く、ぼぉっと虚空を眺めている。


 そして最後の一人。

 緊張で全身を震わせ今にも泣きそうなその少女は、全身ピンク一色だ。

 しかも至る所にフリルが溢れており、ゴスロリのピンク版といった感じで、頭にはこれまたピンク色で派手なカチューシャを装着している。


 アンバランスな見た目の四人の少女は、海を、そして空を見上げて各々心を整える。


「へへっ、ついにこの時が来たぜ」

「うふふふ」

「…………」

「ムリムリムリムリムリムリムリムリ」


 全く整えられていない人がいるような気がしないでもないが、無情にもその時はやってくる。


『四〇四隊、出撃せよ』


 出撃指示に反応し、彼女達は一斉に駆け出した。

 そして洞窟の端まで到達し、このまま海に飛び込むのではと思えるほどの勢いのまま、彼女達は大きく地面を蹴った。


 すると四人の少女の身体はふわりと浮き、真っ青な大空へと旅立っ……


「びゃああああああああ!たああああああああすううううううううけええええええええてええええええええ!」


 暴走して物凄い勢いで突出して上昇するピンク色の少女。


「隊長!」

「隊長!」

「…………」


 そんな彼女を仲間達は慌てて追いかけるのであった。




 世界はまだ気付いていない。


 彼女達こそが最後の希望であり、救世主であるということを。

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