二軒目

木製の雨戸で覆われた家は、真っ昼間でも暗かった。電気など通っているはずもなく、懐中電灯で探索した。

 玄関は三和土で台所と一体になっていて、丈夫ではある。ただ部屋に上がる玄関の框は一部腐って抜け落ちていた。

 玄関からそのまま部屋に直結している。廊下は奥の方にありそうだ。

 遺影はなかった。

 代わりに大きな穴があった。

 その穴を埋め尽くすように、大量の仏壇が捨てられていた。

 恐らく、元々は部屋を埋め尽くすくらいの数の仏壇を置いていたのだろう。床が腐り、その重さと数に耐えられず、穴が空いたのだ。落ちていった仏壇も、薪のようにバラバラに崩れていた。

 遺影はやっぱりどこにも飾られていなかった。一軒目にあったのは、ひょっとすると村全員分の遺影だったのか?

 少なくとも目の前の仏壇達は、この家のものだけではなさそうだ。

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