第27話 クイズ! 誤先生の弱点
『神様TV』の画面が、桶狭間のVTRからスタジオに戻る。
司会の
司会者・神山: 「……驚くべき技術です。天候すら操ったとされる呉学人。しかし、そんな彼にも、『軍師として致命的』とも言える、ある弱点がありました」
スタジオの解答者たちが「えー!」と、わざとらしい声を上げる。
司会者・神山: 「さて、ここでクエスチョンです。その致命的な弱点とは、一体何だったのでしょう?」
大女優・
優雅に髪をかきあげ、白鳥が答える。
白鳥: 「わたくし、美しいものを見ると時を忘れてしまいますの。きっと彼も、信長公のあまりの美しさに見惚れて、作戦を忘れてしまったのね」
芸人・
アイドル・
天国・利家: 「(小声で)……お」
天国・信長: 「(口元を抑え)……ぷっ」
天国・学人: 「(ギクリ)……!」
不思議系・
狭間: 「だから時代! なんで未来人前提なんだよ! Wi-Fi飛んでるわけないだろ!」
パピコ: 「えー、でもあの粘土板(タブレット)、絶対ギガ死したら使えないよー」
狭間: 「ギガ死って言うな! 通信制限のことだろ!」
天国・慶次: 「『わいふぁい』? 『ぎがし』? 学よ、お主、また妙な術を使うのか? 気が死ぬとは、穏やかではないな」
天国・学人: 「(必死に)使いません! 断じて! それより慶次殿、その『術』とやらの意味は私にも分かりません!」
スタジオが盛り上がる中、天国では別の解答が深く刺さっていた。
天国・信長: 「(笑いをこらえながら)……学人よ、『朝が弱い』と。現世の小娘にまで見抜かれておるぞ」
天国・利家: 「ぶはっ! こいつは当たっておりますぞ、殿! 学人は昔から寝起きが悪く、この犬千代が清洲の長屋で毎朝叩き起こしておったわ!」
利家が、当時のことを思い出し、腹を揺らす。
天国・利家: 「声をかけても起きん、揺すっても起きん。しまいには、井戸水を汲んできて『火事だ!』と叫んでも起きなんだ!」
天国・学人: 「(顔を赤くして)と、利家! 余計なお世話だ! それは別に軍師として致命的ではないでしょう!」
司会者・神山: 「さあ、皆さん、よろしいでしょうか。正解を発表します。呉学人の致命的な弱点……正解は、こちら!」
(ドラムロール)
司会者・神山: 「正解は、『極度の方向音痴』でした!」
ドーン! という効果音と共に、スタジオが「あー!」という納得(?)と爆笑に包まれる。
狭間: 「それだ! 軍師が方向音痴って! 敵陣のど真ん中で迷子になるやつじゃないですか! 一番ダメでしょ!」
天国・学人: 「…………っ!」
学人は、息を飲んで固まった。
霊体であるはずの背中を、滝のような冷や汗が伝う。
天国の四阿に、一瞬の、完璧な静寂が落ちる。
信長、利家、慶次が、ギギギ、と音が鳴りそうな動きで、ゆっくりと学人の方を振り向いた。
三人の目が、カッと見開かれる。
信長・利家・慶次: 「「「 あーーーーーっ!!! 」」」
三人の声が、雲海に響き渡った。
天国・信長: 「(膝を叩いて大爆笑)それだ! それじゃ! こやつ、清洲城の中でも迷子になっておったわ!」
天国・利家: 「(涙目)なっとりました! 評定の間に向かったはずが、半刻(1時間)経っても来ないから、皆で探したら
天国・学人: 「(顔面蒼白)あ……あ……」
天国・慶次: 「はっはっは! 『道にさえ迷わねば、お前は完璧なのだがな』と、いつも笑っておったわ! まさかそれが『致命的』とまで言われるとは!」
現世のテレビ番組に、まさかの天界からの「裏付け」が取れてしまった。
天国・学人: 「(頭を抱え)み、皆さん! それは言わない約束! しかも厩の一件は利家が嘘の道を教えたからでしょうが! 『あっちが近道だ』と!」
天国・利家: 「いやあ、お主があまりに自信満々に逆方向へ行くものだから、面白くてつい!」
天国・学人: 「(絶望)犬千代ぉぉぉ!!」
学人の悲痛な叫びが響く中、『神様TV』の神山は、人差し指を立てて話を続ける。
司会者・神山: 「しかし……皆さん。この番組は『オーバー・ヒストリー』。ただの弱点で終わるはずがありません。呉学人は、その『方向音痴』すらも、恐るべき『戦術』に変えていたのです!」
スタジオ・解答者: 「「 ええーーーっ!? 」」
天国・学人: 「…………はっ?」
── つづく ──
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