並行世界の俺は勇者、でもこっちでは無能悪役!?

　高校二年生の俺――篠崎蓮（しのざき・れん）は、どこにでもいる普通の少年だった。だがある日、目の前に現れた“もう一人の俺”によって、日常は崩壊する。

　彼は「勇者」として魔王を倒し、国を救った英雄だった。だが別の世界にいる“俺”は、逆に「悪役」として国を裏切り、断罪され、処刑される運命にあった。

　そう、世界は一つではなかった。
　選択の分岐ごとに生まれた「並行世界」が存在し、そこには必ず“別の俺”が生きている。

　やがて俺は知る――この世界同士はゆっくりと干渉しはじめ、いずれ衝突し、一つを残して滅びるという事実を。

　勇者として称えられる俺。
　悪役として呪われる俺。
　ただの高校生にすぎない俺。

　三つの世界の俺は出会い、選ばれなければならない。
　勇者として生きるか、悪役とし…続きを読む