第十三話 終わりの始まり

その後、村には二度と不気味な鐘は鳴り響かなかった。

ただ季節の音が巡り、日常が戻ってきた。


梨花と沙都子は肩を並べ、坂道を歩いていく。

過去の痛みも、繰り返しの記憶も消えることはない。

それでも二人の足取りは、確かに未来へ向かっていた。


最後に梨花は振り返り、小さく呟いた。

「ありがとう、“終響”。

あなたがあったから、私たちは選べたの。」


そして彼女は、もう一度前を向いた。

二度と繰り返しに戻らないために。


――ひぐらしのなく頃に 終響 完。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ひぐらしのなく頃に ー終響ー パンチでランチ @panchi_de_ranchi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る