第十話 選択の間

突如、目の前に虚空が開き、過去の惨劇の光景が次々と流れ込んでくる。

そこには梨花と沙都子の無数の死の記録――そして、“もしも”の未来も映し出されていた。


ある未来では、梨花が東京で孤独に暮らしていた。

別の未来では、沙都子が雛見沢でひとり取り残されていた。


沙都子は嗚咽した。「梨花と離れる未来なんて……耐えられない!」

梨花も涙をこらえきれずに答える。「私だって……あなたと生きたいわ!」


すると、鐘の音が一瞬だけ止んだ。

まるで“選択”を待つかのように。


ノイズの声が響く。


「さぁ、選べ。鐘の響きを受け入れ、永遠の繰り返しに生きるか。

それとも鐘を壊し、雛見沢ごとすべてを終わらせるか。」

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