第4話新しい友達

 綾音と影海はその後も並んで歩いた。

「じゃあ、私こっちだから」と綾音が言うと、

「今日は……ごめんね」と影海が謝る。

「別に何もなかったし、いいよ」と綾音は笑い、早歩きで家路についた。


 歩きながら綾音は心の中でつぶやく。

「寸止め……あの目つき、一瞬だけ……カッコよく見えちゃった…」


 翌日。教室で。

「綾音ー、昨日影海と帰ったみたいだけど、どうだったの?」と沙耶。

「別に……あんな陰キャがなんで……」と綾音が顔を赤らめながら答える。

「なんかあったのか?」と泰斗も聞く。

「べ……別にー!」


 その時、影海が教室に入ってくる。

「おはよう、水島さん……」

「あ……お、おはよう……」と綾音は少し戸惑いながら返す。


 影海は微かに笑い、席についた。

それを見た泰斗が影海に近づき、

「影海。俺とも仲良くしてくれねぇか? 綾音が世話になってるみたいだしさー」

「え……と、名前……なんでしたっけ?」と影海。

「うちも友達になろー」と沙耶も加わる。

「え、あ……」と影海は少し戸惑う。


「俺は賀川泰斗。そんでこっちは犬上沙耶」

「よろしくね」と沙耶。

「よろしくお願いします……」と影海。


 泰斗は肩を組み、「硬い硬い! もう友達なんだからタメで行こうぜ」と笑う。

影海は少し照れながらも、

「あ……はい……よろしく、賀川くん、犬上さん」と答えた。

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