明石日報(2023年7月4日・朝刊一面)

包丁実演販売中に観客4人刺殺


平日昼、閑散とした催事場で「通り魔的犯行」か 明石市モール


【兵庫・明石】

3日午後11時20分ごろ、兵庫県明石市魚住町のショッピングモール「■■■■■■■」の1階催事スペースで、調理器具の実演販売中に観客4人が相次いで包丁で刺される事件が発生した。現場で包丁を扱っていた男性販売員(36)は、その場で現行犯逮捕された。刺された4人はいずれも死亡が確認された。


兵庫県警明石署は「通り魔的犯行の可能性が高い」として、調べを進めている。



▽「夢を見ていたようだった」容疑者は混乱した様子


逮捕されたのは、調理器具メーカーから派遣されていた実演販売員・■■■■容疑者(36)。

取り調べに対し、■■容疑者は「殺すつもりなど一切なかった」「向こうから倒れかかってきて、逃げる間もなかった」「夢を見ているようだった」と涙ながらに供述しているという。


■■容疑者は契約社員として勤務。精神疾患歴は確認されていない。勤務先の同僚も「真面目でおとなしい性格」と話しており、これまで客とのトラブルも報告されていなかった。



▽人が次々に倒れた「でも叫び声はなかった」


事件が起きたのは、包丁やキッチン用品を紹介する移動販売イベントの真っ最中。

■■容疑者はテーブルの上でパンや果物を切りながら、刃の切れ味を実演していた。


観客席には当時、5~6人が座っていたが、最前列にいた4人が次々に前へ出て、胸や腹部に刺傷を負った。いずれも即死状態だったとみられる。


会場の席に座っていたいた50代女性は「争ったような物音などはせず、スマートフォンを操作していてまったく気が付かなかった。物音がしてふと見たら女性が血溜まりに倒れていた。すぐにもう1人、また1人と次々に静かに倒れていった。本当に怖かった」と語った。



▽モールは平日午前、人通り少なく…カメラにも死角


事件発生当時、館内は平日ということもあり、客足はまばらだった。


また、フロアの監視カメラからも死角になっており、実演会場の様子を映す映像は記録されていなかった。

警察は「映像がないぶん、証言に頼らざるを得ない」として、居合わせた買い物客などからの情報提供を呼びかけている。



▽被害者4人は家族 同時に着席も別々に来店か


死亡したのは、明石市内の会社員男性(42)、妻(40)、長女(15)、長男(13)の4人。

警察の調べで、4人が親族であることが確認されたが、事件当日は別々に来店し、催事スペースに着席した可能性があるという。


家族の知人からは「ここひと月ほど、おかしなDMがポストに届くと怖がっていた」との証言も出ている。



▽「あれは“刺された”んじゃない、“刺さりにいった”ように見えた」別の証言も


会場から少し離れて後方から目撃していた別の客(60代男性)はこう証言する。


「デモンストレーターが大きな包丁を構えたまま固まっていた。被害者たちは、まるで静かに順番を守るように、1人ずつ前へ進んで自分から刃に触れていったように見えた。今でも現実だったとは思えない」


この証言について、警察は「錯乱による集団的行動」や「心理的同調」があった可能性を否定せず、今後精神科医の協力のもと分析を進めるとしている。



▽事件の概要

発生:2023年7月3日午後11時20分ごろ

場所:兵庫県明石市魚住町の商業施設1階催事スペース

死亡者:40代の男女と10代の子ども2人の計4人(いずれも同一家族)

容疑者:実演販売員の契約社員・■■■■(36)

凶器:展示用の調理包丁(刃渡り19センチ)

備考:現場は監視カメラの死角が多く、事件の決定的瞬間は未記録

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