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今日は一日中、聖堂内の古文書室でシスの古代技術に関する追加の情報を探していた。議長から知らされた「別の古代の技術」の件だ。私の増幅装置の研究を妨げる可能性があるものは、事前に把握しておかなければならない。ジェダイの記録は相変わらず不完全で、ほとんどが「禁じられた知識」として検閲されている。その検閲こそが、ジェダイの最大の弱点だ。


午後、訓練場に向かう廊下を歩いていると、ふと立ち止まってしまった。この廊下は、かつてアソーカが私をからかいながら走り抜けていった場所だ。彼女がジェダイ・オーダーを去ってから随分と時間が経った。彼女は今、どこで何をしているのだろう。もし彼女が今ここにいたら、私がシスの知識に手を染めていることに気づくだろうか。そして、私を止めようとするだろうか。彼女の純粋な信頼を裏切っているという事実は、ウィンドゥの疑惑よりもずっと私の心を苛む。彼女は私を裏切らなかった。裏切ったのは、私の方だ。


夕刻、公務としてクローン大戦の戦況報告を聞いた。報告を行ったのは、かつて私のパダワン時代から親交のあった第501大隊のクローン・コマンダー、レックスだった。彼は戦線の状況を淡々と報告していたが、その顔には極度の疲労が見て取れた。彼らは戦争の最前線で命を懸けている。だが、彼らが何のために戦っているのか。この戦争の背後には、議長とシスの計画がある。私が知っている真実を彼らは知らない。私は彼らを騙している。だが、パドメを救い、この銀河に真の秩序をもたらせば、私の裏切りは正義に変わるはずだ。


夜、パドメにホロコールを送った。彼女は公務が忙しく、会議の合間での短い通話だったが、その声を聞くだけで心が落ち着く。彼女の安全こそが、私のすべての行動の起点であり終点だ。


明日は議長に、古文書室で見つけた僅かな情報と、ウィンドゥの動きについて報告する。


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