100日後にダースベイダーになる男の日記

西マサカズ

100日前

今朝は少し寝過ごしてしまった。昨日遅くまで前線の作戦報告を読んでいたせいだ。急いで身支度を済ませ、軽く瞑想に入る。だが、静寂の中でさえ、最近は心が安らがない。パドメの夢を見た。彼女が苦しんでいる、悲しい夢だ。夢を信じるな、とオビ=ワンは言うが、私のフォースの感覚は、単なる夢ではないと囁く。この感情の波を鎮めようとするたび、かえって暗く、強い感情が湧き上がってくるのを感じる。フォースは私を試しているのか?


朝食は聖堂の食堂で簡素な粥(ポリッジ)とコリアン・ティーを急いで流し込んだ。向かいにはオビ=ワンが座っていた。「アナキン、今日の君はどこか集中を欠いているようだ」と彼はすぐに指摘する。「疲れているだけです、マスター」と私は答えたが、その視線から逃れるように視線を皿に落とした。


午前の任務は、銀河元老院でのパルパティーン最高議長への警護報告。彼の洞察力には常に驚かされる。彼は私の内なる葛藤を察しているかのように、私を理解し、励ましてくれる。ジェダイ評議会が私を疑いの目で見るのに対し、彼だけが私を信じてくれる。この議長への信頼と、評議会への不信感のバランスが、最近の私を最も悩ませている。


報告を終え、議長の秘書から少し時間が取れると言われたので、久々に買い出しに出た。聖堂に秘密裏に保管している小型のカスタムポッド・レーサーの修理部品が必要だった。技術を磨くのは私の息抜きだ。タトゥイーンで育った頃を思い出させてくれる、唯一の場所だ。それから、一番重要なこと。パドメへの贈り物だ。コルサントの賑やかな商業地区で、美しいナブー産の宝飾品を見つけた。最近、彼女は公務で疲れ切っているように見える。私が側にいられない分、せめてこれで気分が晴れるようにと願う。誰にも見られないよう、ジェダイのローブの下に隠して聖堂に戻った。これが、私と彼女の秘密を守るための、小さな戦いなのだ。



夕方には、第501大隊のクローン・トルーパーたちとの戦闘シミュレーションに参加。彼らは優秀だ。特にキャプテン・レックスの戦術眼は目覚ましい。彼らとの任務こそが、私がフォースの光の側にいる証だと信じている。だが、彼らが単なる製造された兵士であり、個人の自由を持たないという事実は、時折、私に強烈な不快感を与える。フォースはすべての生命の中にあるはずなのに。この疑問もまた、評議会には決して話せない。


夜、こっそりパドメのアパートを訪れた。今日の夕食は、彼女が用意してくれたスパイスの効いた惑星サルーカミ料理。いつも彼女の手料理は、戦争の厳しさを忘れさせてくれる。彼女に宝飾品を渡し、少しだけ二人で笑い合う。この時間が、私の銀河で唯一の現実だ。「最近、何かあったの?」と彼女は尋ねた。私の目の下のクマを見て、彼女は心配している。「ただの任務だよ。すぐに終わる」と私は嘘をついた。パドメを失うかもしれないという悪夢については、決して話すことはできない。それは、フォースが禁じる感情、執着からくる恐怖だからだ。だが、この恐怖こそが、私をジェダイ・コードから引き離し、私をダークサイドへと引きずり込もうとしている最大の力なのだ。

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