第3話還帰る

家族に会って。

嫌いを思い出す。


たまたま故郷で、歩いた道から記憶が還る。


帰らない、還ったら。


なんで忘れていられたんだろう?

答えは簡単、危険物が目の前に無かったから。


なんでおもいだしたんだろう?

守るために。


さて。

未だ、何が無いかわからない中。

果たしてまだまだ取り戻すか、蓋は蓋をして置くままの人生か。



それとも。

新しいが残らず消える最近の、私のこのままに、いつも何か忘れたまま、ある記憶と今が折り合わぬままを見てみたりとか。


まだまだ曖昧。

すぎても、来る前も、今さっきすらも。


取り立て刺激も危険も嬉しいものも?



嗚呼いやだ。

母の口癖。

子供だった私の大人の手が、伸びる。

届いてしまう。

叩いてしまいそう。


今は小さな骨皮の背中や腰で、母には見えない老人が、ふと。

あの鬼の様な顔をした、恐怖と強き存在に。





桑原桑原。

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記憶と記録が曖昧で STORY TELLER 月巳(〜202 @Tsukimi8taiyou

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