第11話 お友達
わたしの家には、たくさんのお友達がいるの。
みんな、ちょっと変わってるけど、すごく優しいんだよ。
ナミちゃんとナキちゃんは、最初に出会った子。
廊下の隅で見つけたとき、ちょっとびっくりしたけど、すぐに仲良くなった。
ナミちゃんは元気で、ナキくんはおっとりしてて、お団子を並べるのが上手。
サノくんは、ふわふわ浮いてる幽霊の男の子。
すごく元気で明るい子。一緒にいると元気になれるよ。最初は隠れてたけど、今は隣に座ってくれる。
マホロバは、庭に住んでる黒いカラスの妖怪。
三本足で、ちょっと不思議な声をしてる。風のこととか、庭のことを教えてくれるの。
ハルちゃんは、屋根の上にいるいたずらっ子。
靴を逆にしたり、おやつを取ったりするけど、怒ると笑ってくれる。
「もっと遊ぼ!」って言ったら、すごく嬉しそうだった。
むぎは、猫又。昼間は膝の上に乗ってくる。
ツンツンしてるけど、たまに喉を鳴らしてくれる。かわいい。
チエちゃんとキヨちゃんは、風呂場のコンビ。
チエちゃんは歌が上手で、キヨちゃんは風呂場をぴかぴかにしてくれる。
ふたりの歌、すごく楽しいんだよ。
セイちゃんは、行燈の火の妖怪。
静かで、ちょっと怖いかと思ったけど、転んだときに見えちゃって。
「かわいかったよ」って言ったら、火がちょっと強くなった。
ミワちゃんは、首が伸びる妖怪。
あんまり話してくれないけど、転びそうになったとき、首で助けてくれた。
「かっこいい!」って言ったら、すぐ隠れちゃった。
タンタンコロリンは、庭にいる柿の妖怪。
ころころ転がって、カキの実を落としてくれる。
「お月見には柿もいるよ」って言ってた。
人面樹は、庭の木。笑うと枝が揺れる。
「小梅ちゃん、今日の月はいい顔してるね」って言ってたね。
みんな、ちょっと変わってるけど、わたしの大事なお友達。
この家には、たくさんのお友達がいるの。
だから、ひとりぼっちじゃないんだ。
「うめちゃん、あそぼ―!」
「うん、今行くよー!」
ナミちゃんに呼ばれて私は立ち上がる。すると、お父さんが言った。
「小梅、誰と喋っているんだ?」
「……秘密!」
お父さんやお母さんには見えてないみたい。でもいいの!だって、私と妖怪さんたちの秘密みたいで、素敵でしょ?
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