もどかしくて伝えたくて

影山 みはつ

第1話  2人

君は誰だろう?

僕の心を癒してくれる人は誰なんだろう?


僕は鈴木隆徳。

もう前の彼女と別れてから連絡も何も無い。

隆徳は、今頃アイツ何をやって居るんだろうなといつものようにビールを開けて飲み始めて居た。

テレビを見て、タバコを吸う仕事仲間の安成が「今時、こんなテレビ見るんっすか?」と不思議と言葉を掛けてきた。

もどかしくて、バス停の文字を指で拭きながら女性がバス待ちをして居るのが見えた。

隆徳は安成に「ちょっと待っていて」と話し掛けようとしているところを静止させた。

バス停に隆徳が来て「あの、そこで待っていらっしゃったんですよね?どうして帰っちゃうんですか?」と女性の腕を掴んだ。

その女性は「私は、野乃よ。私、このバスは動いて居るのかしら?いくら待っても来ないの」と振り返った。

隆徳は「待って居たら来るんじゃないの?」と野乃に訊ねた。

野乃は「そうかな?でも」と言い掛けた時、プップーとバスのブレーキ音がこちらまで聞こえて来た。

隆徳が「あ、来ましたよ」と野乃に声を掛けて、野乃が「ありがとう。バスが来たみたい」と笑顔で話をした。

隆徳が「じゃ、乗りますね」と野乃に声を掛けて、野乃が「じゃ、気をつけて」と声を掛けた。

隆徳は、野乃に手を振って「バイバイ」と笑顔で見送った。

隆徳はバスの中でゴトゴトと揺れる音と共に眠りについた。

野乃が居なくなって、隆徳は「安成、何をこっちでジロジロ見て居るんだよ」と照れ隠しをした。

安成が「いや、あの野乃って子を好きなのか?2人いい感じだったぞ?」と嬉しそうにしていた。

隆徳は「あぁ、そう言う訳じゃなくて、ただバスの時間が分からなかったから教えて居ただけだよ」と少し照れ臭そうにしていた。

安成が「本当に素直じゃ無いんだから」と隆徳を見て笑った。

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