6蝶々

時には

いつまでも

誰かと一緒に居たいと思う日がある

誰かと出会い

時を経て

誰かと別れることの

繰り返しの人生は

まるでふらふらと何処かへ行ってしまう

蝶々のよう

愛している人ですら

突然目の前から消えてしまうことがある

昨日までは一緒に生きていたのに

前触れなく

この世界からいなくなってしまうのは

まるで

鳥籠から逃れた鳥みたい

ふらふらと

上へ下へと彷徨う蝶々は

風に吹かれて

何処へゆくのだろう

人間に羽を千切り取られれば

たちまち地面に落ちてしまうのに

それでも何故

飛ぶことをやめないのだろう

何故

生きることをやめないのだろうわたしたちは

本当は独りぼっち

どれだけ愛していても

大切に思っていても

その日は必ずやってくる

裏切られ

痛めつけられて

涙を流しながら

手で空を切っても

永遠に

去ってしまった人の手に届くことはない

隣で一緒に

歩いてくれることは

もうないのだ

それなのに

新しい人がやってきては

別れる日が来ることを知っていながら

一緒に歩き続ける人間の心よ

そう

それはまるで

何処ゆくか分からぬまま飛ぶ

蝶々のよう

そう

蝶々のよう

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