6蝶々
時には
いつまでも
誰かと一緒に居たいと思う日がある
誰かと出会い
時を経て
誰かと別れることの
繰り返しの人生は
まるでふらふらと何処かへ行ってしまう
蝶々のよう
愛している人ですら
突然目の前から消えてしまうことがある
昨日までは一緒に生きていたのに
前触れなく
この世界からいなくなってしまうのは
まるで
鳥籠から逃れた鳥みたい
ふらふらと
上へ下へと彷徨う蝶々は
風に吹かれて
何処へゆくのだろう
人間に羽を千切り取られれば
たちまち地面に落ちてしまうのに
それでも何故
飛ぶことをやめないのだろう
何故
生きることをやめないのだろうわたしたちは
本当は独りぼっち
どれだけ愛していても
大切に思っていても
その日は必ずやってくる
裏切られ
痛めつけられて
涙を流しながら
手で空を切っても
永遠に
去ってしまった人の手に届くことはない
隣で一緒に
歩いてくれることは
もうないのだ
それなのに
新しい人がやってきては
別れる日が来ることを知っていながら
一緒に歩き続ける人間の心よ
そう
それはまるで
何処ゆくか分からぬまま飛ぶ
蝶々のよう
そう
蝶々のよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます