詩
桜川光
1あなたのすべて
わたしは知らない
あなたのすべてを
わたしは見せない
わたしのすべてを
怖いと思った
すべてを知ってしまうことが
わたしを知られることが
すべてを知ってしまったら
世界は美しくないことが
分かってしまうと思った
汚いもので汚れた
この世界の心を
もう一度
目にするのが怖いと
それなのになぜ
あなたは怯まないのだろう
わたしのすべてを知ることを
わたしが蝶々のように
上へ下へと逃げ惑って
わたし自身を隠しているのに
不意に出てしまったわたしの本性を見ても
どうしてその目の輝きが失われることがないのか
どうしてわたしを
そんな目で見るのだろう
春の花にも似た
そんな目で
まるで蝶々が花へと飛ぶように
知らず知らずのうちに
わたしはあなたに近寄ってしまう
知りたいと
思ってしまった
どんなに世界が美しくないと分かってもいいから
あなたの全てを知りたいと
願ってしまった
わたしのすべてを知ってほしいと
願ってしまった
知りたいと思ってしまったの
あなたの心を
あなた自身を
あなたのすべてを
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